洗車イベントの話
1年前、若手俳優に自家用車を洗ってもらった。2015年で最も印象的だったできごと「洗車イベント」の話だ。
「洗車イベント」は、株式会社オークネットが制作するWEBドラマ「愛車探偵」の公開収録イベント。真冬の屋外で、俳優の上田悠介さんと馬場良馬さんに自家用車を洗ってもらうことができるという衝撃的なものだった。
友人から「変なイベントがある」と誘われて応募したところ抽選に当たり、早朝のアクアラインを走って行った洗車イベント。
愛車探偵たちは私の愛車にジャージャー水をかけた。泡のついたスポンジで洗われたのは窓ひとつ。事前の連絡では「一緒に洗車」と言われており、多少濡れても良い服装で来いと指定されていたのだが、実際には、イケメン2人が水をジャージャー流すところをスマホで動画撮影する監督の様子を、北風に吹かれながら眺めるだけだった。前日の夜にすでにコイン洗車を済ませていたぴかぴかの愛車は、イベント終了後、スタッフさんがきれいに水滴を拭いてくれた。
(私のクルマに水をかけるイケメン2人、それを見ているオタク の図)
情報を整理すると、下記のようになる。
事前に連絡されていたこと
・一緒に洗車するので濡れても大丈夫な格好で来ること
・「洗車してもらいたい人物」どちらかひとりを選択できること
当日知ったこと
・洗車は俳優2人でおこなうこと
・参加者は洗車しないが、洗車前に他の見学者の前でインタビューを受けること
・事前に「洗車してもらいたい人物」と指定した方を自家用車に連れ込めること
・俳優を自家用車に連れ込んでいる間、車は大きな布で目隠しされ、他の観客からは中の様子が見えないようにすること
車の中で起こったこと
後部座席に、上田さんをはさみ3人で座った。私のクルマはフィットなので、ふだんはそれほど小さいと感じることはないのだが、上田さんはとても窮屈そうに身を縮めていた。それから、上田さんファンの友人が舞台の感想などを熱く話していた。私は、5年ローンで買った愛車に(元)テニミュキャストが乗っている意味のわからなさで意識が朦朧としていた。会話はほとんど覚えていないが、「何で俺を知ったんですか?テニスのプリンス的な?」と訊かれたので頷いた。スタッフさんから時間だと告げられた直後、上田さんが突然両腕を広げ、私たちの肩を抱いた。ガッと肩を捕まれ、ぎゅっと引き寄せられた。こんなことを断りもなくやって許されると思ってるなんて、自然体で純朴ぶっていても彼はやはりイケメン若手俳優の自覚があるのだ。上田さんは汗くさくて、ふつうの成人男性――お父さんの布団みたいなにおいがした。若手俳優も人間なんだな、と思った。めちゃくちゃ興奮した。
一緒に洗車するんじゃなかったのかよ、などといった文句は全く思いつかなかった。そんなことはどうでもよくなるくらい濃厚な時間を過ごすことができた。参加費無料で、若手俳優と交流できて、クルマを拭いてもらって、さらにシュアラスターの洗車セットまでお土産でいただいてしまう、最高のイベントだった。ありがとう愛車探偵。ありがとうオークネットさん。
そんなイベントの第2弾が、3月に幕張で開催されるとのこと。応募は終わっているが、参加される方は十分に心の準備をして臨み、楽しんできてほしい。
#愛車探偵 どうぞご期待ください★☆ #洗車アゲイン http://t.co/kMikMYlYfJ pic.twitter.com/D8vCtcBoZX
— WEBドラマ「愛車探偵」 (@AISha_staff) 2015, 3月 15