怪文書

オタクに幸あれ

許斐剛☆サプライズLIVE~一人テニプリフェスタ~

 1月16日、許斐剛☆サプライズLIVE~一人テニプリフェスタ~に参加してきました。

 「テニスの王子様は最高」「許斐先生は最高」以外の一切の感情を失う、宇宙一のLIVEでした。テニスの王子様は最高。許斐先生は最高。

 

【ライブ開始まで】

 事前に、列形成は5:30からで、それよりも前の時間は警備員が巡回すると告知されていました。私は会場前の駐車場に停めた自家用車の中から様子を覗いていたのですが、5時前からたくさんの女性が会場周辺をうろうろと歩き回っていました。

 物販列の形成は宣言通り5:30ぴったりで、そこから数分間は地獄を見ました。列が落ち着いたところで前方から悲鳴が上がり、何が起こったのかと思っていると、松井Pらスタッフさんが、カイロを配ってくださいました。実際に自分で手にしても、何が起こったのかわかりませんでした。

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 しかもこのカイロ、ライブ当日に大寒波が来ると知った許斐先生がポケットマネーで準備し、サインを手書きしてくださったというのです。先生いわく「だって5:30とかから並んでるんでしょ?ライブは14:30からなのに。僕だったら絶対無理。寒いもん。」だそうです。カイロ開けてないけどあったかい……。

 

 その後、注文書が配布されたのですが、この注文書がまたすごかったんです。

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 テニスのイベントで注文書制度が採用されるのは初めてだったのですが、商品写真煎りのA3フルカラー用紙で、バーコード管理。ライブグッズと缶バッジは販売テントが分かれていたので、もちろん注文書も別です。レジに並び、前の人が会計をしているうちに注文書を回収され、商品を集めてきてもらうシステムもテニスでは初でした。

 ものすごく手際が良いとか、グッズの個数が潤沢で皆が皆欲しいものを買えたわけではなかったのですが、いままで経験したテニスのイベントの中で最も良い物販でした。物販の手際についても、先生が他のライブ等を研究し、細かくマニュアルを作ってくださったそうです。先生の才能があまりにもマルチで困惑。

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 購入したなかで、かっこいい!と震えた大賞は、アメリカ選抜バージョンの越前兄弟(兄弟?)でした。見てこれ、本当にかっこいい。次のテニフェスではアメリカ国旗を羽織らなければならないかもしれない。

 5:30ちょうどから並び、買い物が終わったのは9:30頃でした。その後、身支度を整え、ピザを食べました。友達が「お腹すいたし店ないしピザ出前しない?」と言い出したときはマジかよと思ったのですが、サイコーでした。ごちそうさまでした。

(私の車に黒いレッグウォーマー?毛糸で編まれた筒的なもの?がひとつ残っていました。誰かの忘れ物かと思われます。心当たりのある友人は連絡ください。)

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 スタンディングですので、入場は整理番号順です。写真に小さくうつっているのですが、呼ばれている番号がすぐにわかるよう、めくるタイプの得点板のようなものがありました。これもテニスでは初導入でした。

 

許斐剛☆サプライズLIVE~一人テニプリフェスタ~】

 曲名は下記を参照させていただきました。コミックナタリーさんのこのレポートは本当に素晴らしいです。私書くことないです。

 

オープニング:サプライズ☆タイム-INSTRUMENTAL-

 スタンディングライブらしからぬ荘厳な音楽が流れるなか、客席の照明が落とされると、ペンライトの光が一斉に灯ります。ペンライトの色は、先生の指定通り、もちろん白です。

 ラジプリのCMで、先生のお声のバックに流れていたあの陽気な音楽は「サプライズ☆タイム-INSTRUMENTAL-」という新曲でした。曲に合わせて先生のセリフが入り、舞台の白幕にはそのセリフの文字や先生のシルエットが映ります。幕が落ちると、白いシャツ+マフラー+ベージュのコート+チェックの細身パンツ、という出で立ちの先生。ファッションが若い。

 この曲は、「何か入場曲がほしい」と思い制作したそうです。昼公演を見た甲斐田さんには、「入場曲って、プロレスラーじゃないんだから」と言われてしまったと苦笑いする先生。「この曲が流れたら『何か(サプライズが)ある』と思ってください」との注意がありましたが、これが後のサプライズへの布石になるなんて……想像していました。

 

一人テニプリフェスタ~ハッピーメドレークリエイター許斐剛
テニプリを支えてくれてありがとう

 まずは、観客に求められる歌や振り付けの技術難易度が最も高いメドレーからスタート。いきなり飛ばしていきますが、振り付けやコーラスが揃っていて、信じられないくらい気持ち良かったです。観客の歌について、先生からもお褒めの言葉をいただきました。

 「一人テニプリフェスタ」に「待ちに待ってた 次のフェスタで会えるから」という歌詞があるのですが、先生はそこを「この手に掴まって 次の10年目指すから」と歌いました。昼公演では確実にそうだったのですが、夜公演も同様に歌詞が違っていたのかは覚えていません。

 今回の一人テニプリフェスタは、なかなか開催が決まらないテニプリフェスタに代わる楽しみをと、担当編集の由井さんが提案されたそうです。「次のフェスタで会えるから」と歌えば、「次のテニプリフェスタを開催するという『砂粒みたいな約束』」をすることになります。その保証が出来ないから、あえて「次のフェスタ」と歌わなかったのかな、と思いました。ただ歌詞を間違えただけかもしれないけど。でも、実際には10月にテニプリフェスタ2016が決まったので、深読みで悲しい思いをする必要はありませんでした。杞憂で済んでよかった。

 先生は45歳の漫画家とは思えないほどの動き。踊り、歌い、客席に微笑みかけ、手を振り、終始余裕の表情でした。どうして許斐先生はこんなに最高なんだろう。地球はきれいだなあ。

 

テニプリFantastic Bazarのテーマ

 「今日はたくさんのキャラクターたちが遊びにきてくれています」と、先生。ステージセットの扉が開くと、そこには大きなスクリーン……じゃない!金ちゃん!金ちゃんが、出てきたんです、先生よりも頭ひとつぶん小さくて、せわしなく動きまわる遠山金太郎が。

 昨年末のジャンプフェスタ・SQ.ステージで、松井さんは「キャラクターが動きます。初音ミクみたいな感じで。」と話していました。ですので、うっすらと覚悟はできていたのですが、いざ目の前で動かれると、「テニスの王子様は"いる"」という激ヤバな思考が、私のわずかな理性をタコ殴りにしているようでした。

 出てきた直後は、Smash Hit ! みたいだなあと思っていました。ですが、20秒くらい経つと、金ちゃんにきちんと影があることに気付き、はっきり「いる」という感覚を持てるようになりました。さらに、金ちゃんは、先生と会話し、歌い、ジャンケンやハイタッチをします。バックダンサーのみなさんと縦に並び、テニフェス2011でのスピードスターのあの動きをして、私たち観客と一緒に四天宝寺コールもします。完全に異次元。2次元とか、3次元とか、2.5次元とか、そういう次元ではありませんでした。

 この金ちゃんは、モーションキャプチャーの技術を使い、この世界に出てきて金ちゃん。別室にいるアクターさんの動きを、リアルタイムで舞台上の金ちゃんの動きにしているそうです。それを説明した先生は、テニプリのキャラクターは「いるんです」と言ってくださいました。いました。テニスの王子様はいました。金ちゃんは、右へ左へとよく動き回り、先生がひとりで歌っているときは飽きてしまったのか座り込んでいました。なにもかもが遠山金太郎でした。ただキャラクターが動いただけではなく、そのキャラクターの性格や身体能力を考慮した動きになっていたのです。この後に出てくる他のキャラクターもそうでした。

 金ちゃんは、昼は「ケンヤに自慢したろ」、夜は「財前のバッジ買うてったろ」と言って舞台からはけていきました。金ちゃんが“いる”ことによって、忍足謙也と財前光も“いる”ことが証明された瞬間でした。

 

Grand Slam ~Rock Version~

 金ちゃん登場の興奮も冷めないうちに、聞きなれないイントロが。「Grand Slam」の原曲はしっとりとしたバラードなので、ライブでは歌わないだろうと思い込んでいましたが、まさかの不二周助、やはり不二周助、ここぞという時の不二周助。さすがの貫録です。高い歌唱力と英語の発音技術を以て、観客を「あ……不二センパイ……好き……」初恋懐古の渦に巻き込んでいきます。

 先生が歌っているときは膝でリズムを取ったり、盛り上がるべきところでは腕を使って感情の高ぶりを表現したりする不二周助。ふとももから膝にかけての造形に雄を感じました。

 歌い終わったあと、昼公演では「姉さんがラズベリーパイを焼いているんですが、先生もどうですか」「裕太と一緒に待っていますね」と先生に話しかけていました。夜公演では「世間ではスムージーが流行っているみたいですけど、青学には15年前から乾汁っていうものがあって……」などと話題を振り、「みんな、ダメだよ、先生をフリーにしちゃ」佐伯虎次郎の台詞を言い去っていきました。

 

Smile

 幸村くんの手がすごく大きかったです。サビ部分に右手をワイパーする以外ほとんど余計な動きをしない幸村くんでしたが、自分が歌っていないときはひっそりと膝でリズムを取っていました。不二よりもだいぶ控えめな膝の動きでした。

 昼・夜公演ともに、歌のあとに先生が動かなくなる=五感を奪われる演出も。昼公演では「五感奪われるかと思ったよ、幸村くんの歌がうますぎて」と、すぐに克服する先生。それを見た幸村くんは、「夢の続きは先生と見てね」と、自身のキャラクターソングのタイトルを含んだ台詞で去って行きます。夜公演では先生が長く動きを止めたままだったので、「先生?……五感奪われてるのかな……?このあと大丈夫かなあ……」と心配しながらも放置し、にこやかにはけていきました。

 こういった動きや台詞もすべて先生が監修されたとのことですが、幸村くんも、こういうテキトーで雑な人間味があるんだと思うと、“いる”感覚が増しますね。

 昼公演でこの曲を聞いたとき、嗚咽どころか雄叫びのような泣き方をしてしまったのが、自分でもびっくりな思い出です。「あの日キミに会えなくなって」と幸村くんが歌いはじめたとき、突然、100曲マラソン後に絶望していた頃の気持ちが蘇ってきて、当時の悲しさと今ここにいる喜びがごちゃまぜになったのかどうかなんて理由はよくわからないけど、とにかく大泣きしました。喜怒哀楽すべての感情をテニスの王子様に支配されている。

 

Brave Heart~Ballade Version~

 「んんーっ、絶頂!」の台詞とともに登場した白石は、髪がものすごく白かったです。アニメだと茶色とグレーの混ざったような白橡色、ミュージカルだと銀色にされている白石の髪色ですが、原作カラーは白。声優さんや俳優さんが演じているのではなく、原作から出てきて歌っていると意識させるつくりなんだなあとしみじみ感じます。

 先生が「この曲、ハモりもあって大変だけど、よろしくね」と言うと白石は頷き、左手の人差し指を口元へ持って行き「みんな、静かに聞いてな?」。白石蔵ノ介ってそういう男だよね。ちゃんと自分のポジションをわかってるんだよ。わかっていて、そういうふうに振舞える男なんだよね。ってところまであの舞台上で演出する先生は最高。

 先生と白石が歌ったのは、バラードアレンジの「Brave Heart」。白石はテじゃ俺300のメンバーなので原曲も歌っていますが、このバラードアレンジの歌い方が絶妙で、シングルカットしてほしいくらいでした。語尾の伸ばし方がすごいんだこれ。原曲にはないハモりもとても良かったです。歌っているときの白石の動きにはけっこうムダが多く、ファンサービスって感じでした。

 

フェスティバルは突然に

 イントロが流れた瞬間、誰もが皆川さんの登場を期待したこの曲。しかし、「別にただテニスをしてただけ」と歌いながら登場したのは、立体の越前リョーマでした。まさかここでラケットを持った青学ジャージ姿の小越さんが出てくるなんて。小越さんは、ときにサーブを打ち、ときにキャップのつばに触れ、1年2か月前まで見ていた越前リョーマのままで出てきてくれました。小越さんは前日まで金髪だったそうで、当日朝に更新したブログでも金髪の写真をアップしていました。それが、幕が開いたら黒髪のリョーマになっているなんて。この世に神は存在したってかんじ。

 間奏部分では、許斐先生が「10年後にテニミュに出演依頼がきたらどうする?」と小越さんに問いかけます。「なに役っすか?」と聞き返すと、先生からは「平等院」や「デューク」など無茶なキャラクターの名前が。微妙な顔をする小越さん。「じゃあ、数年後のリョーマ」と先生が言うと、小越さんは「やるっす!」ぱあっと顔を上げます。観客は呻き崩れ落ちました。

 歌のあとのトークでは、「テニプリっていいな」MVの思い出話。小越さんを見て「テニミュに出てほしい」と思っていたけれど、それを先生が口にしてしまうと制作側がオーディションをやりづらいだろうと、黙っていたそうです。先生は「完璧なリョーマ」と小越さんを絶賛。小越さんも、「またリョーマになれるなんて」と言い、観客の反応に「この雰囲気、安心するなあ」と、テニモン歓喜100点満点のコメントをくださいました。さすが、プリンス・オブ・テニミュ

 昼公演ではテニミュサードシーズンの青学メンバー、夜公演では青学VS山吹公演の全出演者からのサプライズムービーがありました。

 
悲しいね…キミが近すぎて

 4つある新曲のうち、2つめ。たいへんな問題作です。

 先生から、「マンガの中のキャラクターが読者の皆さんに恋をしている切ない曲です」との紹介があると、会場はどよめき、もはや何を言われているのか全く理解できない状態。わけがわからないうちに曲が始まっちゃうし、音が割れて歌詞全然聞き取れないし、スクリーンには先生出演のMV流れてるし、マンガの中のキャラクターは私たちのこと好きになって悲しんでるし。私たちだってキミたちのことが好きなんだから両想いなのに……。悲しいね……。

 この楽曲を制作しているとき、高橋直純さんに「先生はいつも前向きな曲を作っていてすごい」と言われたそうです。今まさに切ない曲を作っているとは言えなかったと、先生は苦笑いしていました。

 

TENNIVERSARY

 歌声なしのオーケストラバージョン。曲に合わせて、漫画『テニスの王子様』『新テニスの王子様』の名場面が映しだされます。宍戸亮は一回も出てこなかったけど、木手くんは「手塚ー!」のコマが映りました。

 

Dear Prince~テニスの王子様達へ~

 黒いポンチョにお召し替えして再び登場した先生。シルエットがおかわいらしすぎて、完全に45歳既婚男性のファッションではありません。

 序章の最終回を締めたディアプリは、丸井くんと先生とのデュエットです。丸井くんの動きは素人ではないです。歌もダンスもリズムの取り方も他のキャラクターとは一線を画していました。「Chance of lifetimeだろぃ」など、自己流アレンジまでしています。めちゃくちゃモテそう。丸井君はジャニーズ。

 曲の最後には、先生と丸井くん揃って「シクヨロ」ポーズ。かわいいとかっこいいは共存できるんだと実感できる一曲となりました。

 

テニプって行こう

 自動車が停まる音、革靴の足音、「……どうやら、間に合ったようだな」の声。手塚国光のお出ましです。車のエンジン音から連想したのか、「跡部様!」と叫ぶ人も見られました。わかるわかる。

 大石から連絡をもらい駆けつけたという手塚に「じゃあ、一緒に歌おうか。とびっきり明るいやつ」と許斐先生。「はい!油断せずに、テニプって行きましょう!」手塚がそう言うと、ズンドコズンドコピピーピピーです。テニプリオールスターズとしてCDでも歌っていますが、あえてライブで手塚にこれを歌わせる先生のセンス。最高。この曲のとき、許斐先生は少し手塚の声や歌い方を真似しているようでした。

 手塚国光の“いる”ポイントは、絶妙な外し方です。ワイパーをするときに肘がぴんと伸びていてどこか不格好だったり、動きが周りのダンサーさんから半テンポずれていたり。腰をかがめて観客に手を振ったり、先生ソロではケチャの動きをしたり。ライブのパフォーマーとして外したところと、手塚国光というキャラクターとして外したところが絶妙で、もう、もう……!テニスの王子様 完全版 Season2-4に掲載されている、幼稚園のお遊戯会で振り付けを間違えてしまう手塚国光(5)の面影を強く残していました……手塚国光メッチャ生きてた……

 

Adventure Hero

 手塚がいれば当然しゃしゃり出てくるのが跡部景吾です。「アーン?ドイツで歌のプロにでもなったのか?」。しかし手塚はそんな揶揄を気にもかけず「あとは任せたぞ」とさらりと去って行きました。すると、どこからともなく氷帝コールが。おなじみの肉声「パチーン」でコールを止めると、「Adventure Hero」あらため「Atobenture Hero」の疾走感あるメロディーが流れ始めました。

 もともとプロの歌手である佐々木さんと先生とのデュエットなのでハモりが多い楽曲。ライブでも跡部が低音、許斐先生が高音を担当し、まさに2人で歌っている、といったステージになっていました。あと、タオル曲でした。

 跡部の動きは、さらりと洗練されていた印象です。派手な印象を持たれがちですが、実は努力家で、持って生まれた能力にあぐらをかかず、己の美学に対してすごく真摯。跡部のそういう面が、歌やダンスとかに全部出ていました。あの4分弱の曲で十分に伝わってきました。最高。

 歌い終わってからは、「先生、今年の俺の誕生日……ひとつ派手に頼みますよ」「オーケー!」というやりとりがありました。以前から先生が匂わせていますが、いったい何があるのでしょうか。

 
青学テニス部に捧げるヤッホー

 「越前リョマ子、いきまーす!」ここでようやく皆川さんが登場。新曲の「青学テニス部に捧げるヤッホー」を先生とデュエットします。ラップ風の早口な楽曲で、会場横の画面に歌詞も出ていたのですが、全然覚えられませんでした。だって生身の先生と純ちゃん見るので忙しいもん。越前はすごいよ、みたいなことをタカさんが言っていたような気がします。

 この曲には青学テニス部のセリフが入っているのですが、完成からライブまであまり日にちがなかったこともあり、収録は難しいと思われていたそうです。ですが、先生みずから声優さんたちに連絡し、収録を間に合わせたとのこと。皆川さんいわく「そりゃ先生に頼まれたらやりますよ!」。

 皆川さんとのトークでは、「TENNIVERSARY」をBGMに投影された原作名シーンの話題に。「開始3秒で泣きました」という皆川さんに、客席からはお約束の「純ちゃん泣かないで~!」。このやりとりをするとこっちが泣きたくなっちゃいますよね。

 

テニプリっていいな

 テニプリっていいな……

 この一言に尽きます。テニフェス2009のときよりももっと好きになってる……

 

ハッピーメディアクリエイター時々漫画家

 コミックナタリーさんの記事を引用すると「自身の職業への使命感を歌った」新曲。「僕は時々漫画も描くけれど」という歌詞に合わせた手の動きがたいへんかわいらしかったです。

 

【アンコール】

青春グローリー

 アンコールの掛け声は、もちろん「ラブ!ラブ!フェスティバル!」。しばらくのアンコールの後、「漫画家はなかなかアンコールもらえないよね」と登場した許斐先生は、ゲストのササキオサムさんと「青春グローリー」を歌います。「テニプリっていいな」のCDに収録されているデュエットはピアノバージョンでバラード風だったのですが、今回はアコースティックバージョン。ライブ向けのアレンジでした。

 「先生、女の子にモテモテですね」と言うササキさんに「キャラクター(の人気)だよ」と謙遜する先生。会場からは、すかさず「違うよ!」「先生が好き!」と声がかかり、先生ははにかんでいらっしゃいました。

 「緊張した」「負けないようにがんばったけど、やっぱりササキさんはすごい」と言う先生。プロのアーティストであるササキさんに対抗意識を燃やすとは……この精神が彼をハッピーメディアクリエイターたらしめているんだなと思いました。

 

テニプリFEVER

 この曲の前に、先生はライブグッズのTシャツにお着替えです。その間を持たせるために青学ジャージを羽織った皆川さんが登場。「みんなが応援してくれるから、先生もそれに応えて、みんなを楽しませようとしてるんだよ」と話してくれました。これが幸せの乗算です。

 許斐先生&リョーマのハニプリTシャツでふたたびステージへ戻ってきた先生。たくさんのイラストを描き下ろしたライブグッズについて「みんなの喜ぶ顔が見たくて」と話します。いや……そんな……もう……なんで……先生がそこに存在しているだけで嬉しいのに……ほんと……有難みがすごい……

 観客がステージに向かって拝んでいる間に「テニプリFEVER」が始まりましたが、条件反射でC&Rはしっかり決めることができ、とても気持ちが良かったです。

 

プライズタイム

 最後の一曲いこうか、という雰囲気になったところで、突然先生の登場曲でもある「サプライズ☆タイム」がかかりました。そういえば先生は「この曲が流れたら『何かある』と思ってください」と言っていましたが、ここで使われるとは……。そして、先生が「この間のジャンプフェスタで繋げてもらったバトンを、次に繋げます」と言うと、舞台上のスクリーンに「テニプリフェスタ2016」の文字が。もちろん、サプライズ後恒例の万歳三唱もありました。

 1曲目の歌詞が違っていたことで、今後のテニフェス開催は難しいのではと考えていましたが、許斐先生はやっぱり約束を守ってくださるお方でした。もう一生、ついていこうと思いました。 毎日思ってるけど。

 

Love Festival

  最後の一曲は、「ネルフェスの再現」ということで、小越さんも登場してのラブフェス。テニフェスを代表する曲ですね。こんなに楽しくて幸せな曲を作っちゃう許斐先生って何者なんだろう。神と呼ぶのは落ち着かないので、許斐剛という新しい概念だと思うことにします。

 一昨年のネルフェスは、原作者・声優・テニミュキャストが共演する夢のステージでした。それまでぼんやりしていた安西くんが、突然はっと目覚めたように「エクスタシー」と叫んだり、碕くんが何度も深々と許斐先生へ頭を下げていたり。そんな光景に悲鳴をあげたことを覚えています。メディアは違っていても同じテニプリ。今後も、テニプリの名を背負ったさまざまなメディアが、たくさんの人を幸せにしてほしいなあとしみじみ感じるステージでした。

 一人テニプリフェスタも、ネルフェスと同様、メディアの垣根を超越した空間になっていました。さらに今回は、漫画のキャラクターが、紙や画面等のメディアを超えてライブへ遊びにくるという次元の歪み具合。わけがわからなすぎて、もう巻き込まれるしかない。楽しむしかないです。巻き込まれて困っても、先生は責任を取ってハッピーにしてくれるから大丈夫です。なぜなら先生は「どんなことをすればみんなが喜んでくれるか、ちゃんとわかっているつもりです」と語っているので。

 

 最後の挨拶。

 松井プロデューサーへのねぎらいの言葉がありました。言葉を詰まらせる松井Pを初めて見た気がします。ジャンプフェスタでのトークショーによると、このライブの話を由井さんが持ちかけた際、松井Pは「少し時間をください」と返事をしたそうです。そして、少し経つと「箱押さえました」との連絡が来たとのこと。松井Pの決断力が、テニスの王子様を支える柱のひとつなんだなあと思いました。

 皆川さんは、「もっともっとテニプリを愛せないようじゃ…」と言ったところで小越さんのもとへ。「一緒に言おっか」と声を掛けると、二人のリョーマによる「「まだまだだね」」が聴けました。

 

 先生は、3DCGの映像がライブに間に合うかぎりぎりだったことを明かし、「間に合わなかったら、全部自分で紙芝居を描いてやると思っていた」と話しました。キャラクターと一緒に歌うことをとても重要視していたようです。

 昨年の写真集も今回のライブも、先生ひとりが前に出てくるのではなく、キャラクターとの共演にこだわる点に、漫画家としてのこだわりを感じます。ハッピーメディアクリエイターを名乗っていても、漫画家として大事にすべきところはぎりぎり守っている印象です。よそでは前に出すぎと言われることもあるそうですが、そうでもないんです。リアリティの限界をさまよう『テニスの王子様』のように、先生も漫画家としてのリアリティの限界すれすれをさまよっているんです。テニプリっていいね。

 

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 朝のバタバタで紛失してしまった宍戸亮が、優しいテニス者の皆様のおかげですぐに戻ってきました。こういう交流も含めて、本当にハッピーなライブでした。

 

 また、前回の記事へのコメントや反応、ありがとうございました。

 先生から「歌、練習してくれたんだね」とお褒めいただいたり、雑誌のライブレポートにも「C&Rも、練習したのかと思うほど息ピッタリの完璧さ」(*1)と書かれていたりと、テニス者の頑張りが伝わったようで本当に嬉しいです。当日は物販列でもあの記事を読んで予習してくださっている方を見かけました。ファンのみなさんがライブを楽しむお手伝い、先生の期待に応えるお手伝いを少しでもできたのかなと、自己肯定感で満たされています。

 こういうイベントのあとって、「一か月前に戻ってまたライブ行きたい……」などと思うのですが、先生ライブはC&Rの件含めて完全燃焼だったので、もう一度!とは一切思いませんでした。不思議。幸せがキャパシティオーバーすると人間ってこういう考えになるんだなあ。

 

 

(*1)TVぴあ関東版 No.719(2016年1月27日発売)より