怪文書

オタクに幸あれ

綿狂い イン ナイトアクアリウム

「ぬい撮り」もずいぶんと長い流行りになった。テーマパークや観光施設、飲食店など、ぬい撮りに寛容な場所も増えた。100円均一ショップにはそこまでオタクに寄り添わなくてもと引くくらいぬい撮り用グッズが並んでいる。

 だが、おそらく世間一般から見れば、「ぬい撮り」は綿狂いによる異常行動である。綿狂いである私も、鞄からぬいぐるみを取り出すときは「キモくてすまん」と心の中で謝っている。誰に謝っているのだろう。親かな。

 とはいえ、犯罪なわけでもないのだから、撮れるものなら堂々と撮りたい。できれば素敵な場所で撮りたい。一般人がいないところで撮りたい。

 それを叶えてくれる「えのすいドーリーナイト」(新江ノ島水族館)に参加してきた。ふだん人でごった返している水族館を40人の綿狂いで貸し切りできるイベントである。

 

人がいない水族館

 撮影は17:30から19:45まで。だが、15時から水族館へ入ることができるので、非綿狂いに混じってイルカショーも見られた。至れり尽くせりすぎる。

 ドーリーナイトは閉園後のため撮影禁止のエリアも多少はあるが、それでも撮影場所はかなり多い。40人定員ということもあり、余裕をもって撮影ができた。デッキにも出られるので、江ノ島の夕焼けや夜景も撮れる。

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 タイトルには綿狂いと書いたが、綿よりもドールやフィギュアを持ってきている参加者が多かったような気がする。

 狂人(くるんちゅ)たちが、撮影場所を無言で譲り合うこと以外一切干渉せず、床に這いつくばり、無茶苦茶な体勢になりながら照明を当て、自分の綿や人形だけをひたすら好き勝手撮影する様子は非常に趣深かった。

 他人の目がこんなに気にならない空間ってそうそうない。普段なんとなく「すみません……」と思いながらぬいや人形を撮っているみなさん、ぜひ参加してみてはいかがだろうか。

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※水族館暗いから持って行ったほうがいい