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テニスのこと

テニプリを愛するすべての人に幸あれ

跡部景吾に関するアンケートまとめ

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跡部のこと好きじゃないと、『テニス』って、そんなに楽しくないと思うんです。」

 目からウロコとは、こういうときのことを言うのだろう。

 今年の6月、『テニスの王子様』ファンの女性と話している最中、相手が発した一言だった。私は、あまりの衝撃に数秒間言葉を失った。考えたこともなかったのだ、跡部景吾に関する現象を楽しんでいない『テニスの王子様』ファンがいるなどとは。

 その女性は、作品自体や他のキャラクターは好きだったが、数年前まで、跡部景吾個人のことをそれほど良く思っていなかったと言う。今ではきっかけがあり跡部景吾を好きになったが、《跡部景吾を好きになる前》と《跡部景吾を好きになった後》では、『テニスの王子様』の楽しさは格段に違うらしい。
 跡部景吾への好意と、『テニスの王子様』『新テニスの王子様』へ抱く印象には関係があるのだろうか――これを確かめるため、アンケートを実施した。

 

 アンケートはツイッターで告知。匿名での回答とし、性別・年代・居住地等は調査していない。回答者のうち、作品自体のファンが95%、作品のファンではないが跡部景吾個人に興味があると答えたのが5%であった(設問1「あなたは『テニスの王子様』『新テニスの王子様』のファンですか。」)。 

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 設問2の結果、跡部景吾に興味を持ったきっかけについては、約6割が原作、2割がアニメ、1割がミュージカル、残り1割がその他であった。これは設問5「跡部景吾の最大のチャームポイントはどこだと思いますか。」において、全回答者の半数以上が「内面(かっこいい!)」を選択していることにも関連しているのではないだろうか。跡部に限らず、アニメではコミカルな面を描かれることが多く、原作のほうが「かっこいい」描写が強いと感じるからである。また、ミュージカルはアニメよりも原作に忠実だが、舞台に氷帝が登場したのは2005年夏であり、すでに跡部景吾の人気は高かったため、「きっかけ」となるには遅かったのであろう。

 

 さて、今回の本題は、跡部景吾への好意と『テニスの王子様』へ抱く印象との関連性を調べることである。「キャラクターに関して、原作やグッズの展開をどう捉えていますか。」「跡部景吾に対する今の印象は、どれに近いですか。」という2つの設問の回答を、下の表にまとめた。なお、2問両方に回答しているものを有効としている。

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 作品の展開に「満足」「おおむね満足」と回答している割合は、跡部への好意が大きい方が高いことがわかる。逆に、作品の展開を「やや不満」「不満」としている割合は、跡部への関心が低くなるごとに高くなっている。

 また、「現在最も気にしているキャラクターは誰ですか。」という設問に跡部景吾と回答したのは52人であった。うち、作品への印象を「満足」「おおむね満足」と答えたのは73.1%にのぼる。「普通」は19.2%、「やや不満」は7.7%であり、「不満」と答えた者はいなかった。
 アンケートでは跡部景吾に好意的な回答が多く、彼を苦手とする回答が少なかったが、やはり、跡部景吾への好意と『テニスの王子様』への印象の良し悪しは比例していると言えるだろう。

 しかし、これは跡部景吾ひとりに限ったことではない。「現在最も気にしているキャラクターは誰ですか。」という設問で、誰を挙げた者の満足度が高いかを調べた。

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 「満足」「おおむね満足」と回答した割合が跡部景吾を上回ったのは幸村精市(78.6%)、越前リョーマ(75%)の2人であった。また、白石蔵ノ介に関しては「やや不満」「不満」の回答数がゼロとなっている。
 原作に限らず、メディアへの露出が多いキャラクターとそうでないキャラクターでは、それぞれのファンが公式の展開へ抱く印象・満足度も変わる。しかし、今回語りたいのはそういった内容ではなく、跡部景吾をはじめとするキャラクターへ対する思い入れの大きさと、作品そのものへの印象は関連するということである。

 「どういった点があなたにとって跡部景吾のマイナス要素ですか。」という設問にも、わずかだが回答があった。結果は、「性格」が21%、「目立ちすぎる」が25%、「なんか気に食わない」が13%、「その他」42%であった。「見た目」「テニスのプレイスタイル」という回答をした者は見られなかった。個人的には、手塚を苦しめたあのプレイスタイルは初見時にだいぶ腹を立てたので、回答者が過去の跡部よりも現在の跡部をよく見ていると感じた。

 次に、自由記入欄で寄せられたコメントを一部抜粋して掲載する。

 

社会的現象としての跡部景吾

・ファンについて

メス猫が社会に潜伏しすぎている/祭り上げている人達が気味悪く近づきにくい/跡部様は絶対という風潮苦手、様付けないと刺されそうな空気苦手/なぜこんなに人気なのか、心惹かれる人が多いのかに興味があります/毎年の祭りがいつまでも続きますように/これからもテニプリファン外に「跡部って何者?」と驚かれるような活動を展開してほしい

 

・経済面について
マスコミや企業の異常な持ち上げに乗らない跡部様でいてください/最近の企業も参加するお祭り騒ぎは大変興味深いです/分かっているし、好きだけど、グッズ多すぎてずるいです/建国記念日を統一して欲しい/テーマパーク作ってください

 

わたしたちの跡部景吾

・「氷帝の部長」派
跡部は誰よりも仲間と戦うことを分かっているキャラクターだと思います/氷帝を背負うあなただから好きなんです(日本代表とか興味ない)/全国大会でも開催地枠で復活させてもらって負けたとか部長としてどうかと思う/跡部様より氷帝学園テニス部部長としてのかっこよさを知られてほしい

 

・「跡部くん」派
完璧!ってイメージが強いけど初めてのデートで相手怒らせたりそれに対して「やっベーなぁ」と一般の男子中学生みたいな感想を抱いたりステータスが高いが完璧ではなくそれを努力で補ってあの地位を築いたりしている人間として生きている感じがするところが好きです/跡部様も好きですが、普通の中学生してる跡部くんも好きです/王様として祭られて久しいですが、中学三年生で、一生懸命テニスに打ち込む彼が好きです/昔のような可愛げのある性格に戻って欲しい…最近男前過ぎです/UNIQLOみたいなシンプルな服も似合うと思うよ!

 

・「跡部様」派
明日の彼のことも気になるけど、叶うのなら彼の人生・生き様をすべて見たい/跡部様のカリスマ性は許斐先生そのものだと思っております。先生じゃないとあのカリスマ性は出せなかった/存在に有り難みを感じます/テニスの王子様という作品の地位を、確固たる所まで押し上げた彼という存在にはとても感謝しています/挫折を知り、血の滲むような努力を積み重ねた末に今の跡部様が在るのだと思うと愛おしさが溢れて止みません。お慕い申しております/平和は跡部王国にあり!

 

・「テニスプレイヤーの跡部景吾」派
華やかな台詞で目立っていますが、プレースタイルは実は地味なところが好きです/人気とビジュアルだけの跡部様ではなく、あくまでも主人公のライバルとしての跡部景吾でいてほしい/ライバル達に対し一定の敬意を持ち、それに尻込みすることなく全力で戦い、自らの美学のもと輝くその姿が好きです/大して強くないのに何であんなに偉そうなのか理解できない/手塚の肩の恨み/いつまでも、日吉くんにとって下剋上のしがいがあるような、高笑いの似合う少年であってほしいと願っています/最初はいけ好かなかったが、試合の姿や強さへの努力を見て好きになった/イギリス代表がんばってください

 

・「景吾坊ちゃま」派
家は継いで/坊っちゃま、手塚国光のためにお家を捨てないで…/家捨てないで/跡部証券のトップになる姿を見たいです/跡部財閥とプロテニスプレイヤーを両立してください/今後の進路がどうなるのかわかりませんが、跡部景吾の思うまま突き進んで欲しいと思います

 

跡部景吾のありかたを問う
これが人間のあるべき姿なんだろうなという手本、神による標本。一番人間らしい

一番好きなわけではないのに応援してしまう人としての魅力に溢れたキャラクターだと思います

私の思う最大のチャームポイントは「発言、台詞」です

正直好みでは全くないのですが面白いのでとても好きですし、今やもうテニスの王子様になくてはならない人物だと思います

初登場時は魚みたいな顔つきだったのに、みんなの力で国王へのステップが用意された子。キャラへの期待が先生に伝わることってとても大事なんだなあと思います

原作の、才能はあるが手塚や幸村ほどでなく努力家である跡部景吾から、世間がイメージする跡部景吾跡部王国の登場を機に離れていっているように感じる。「跡部様」が有名になるのはジャンル者として誇らしいことではあるが、一方で跡部景吾が理解されているのかを考えるとそうでないと思うので魅力が伝わっていないことが残念だと思う

この作品における象徴的な存在

様々な意味でこんなにも独走している人を見たことがないのでこのまま歴史に刻まれて欲しい

もう跡部景吾、というジャンルがあるのではないかというくらいに現実世界で知名度をあげていて、他のキャラクターが一番だ、という人も跡部景吾を無視して物語を語ることは難しいように思います

正直なところ、二次創作の跡部は(特に初期の)原作に基づいた妄想ではないように感じるのです。原作の跡部は長い連載の中でファンの過度な妄想要望に応じるために過去を黒歴史にしてイケメンに変わろうとしているように感じます。跡部景吾はネタキャラとしては面白いですが氷帝全盛期のファンの妄想が原作リスペクトの上に成り立っているようには思いません

最近の悩みはみんなが見ている跡部くんと私の中の跡部くんは何か違うような気がすることです

彼は推しという概念の外にいます。駆け出しのアイドルを応援するような「推し」は彼には無意味で、我々が推すか推さないかは関係なく、ただ輝いている。我々は彼がもたらす奇跡を甘受するだけの、ただの観客となり、彼の人気そして名声は我々がもたらしたものではなく、彼が掴み取ったものであり、必然だったのだと実感します


 特に多かった回答は、「努力家なところが好き」といった内容のものだった。また、世間で持て囃されている「跡部様」像と原作の中で生きる「跡部景吾」が離れていくことを危惧する意見も多く見られた。
 『テニスの王子様』を飛び出し「跡部景吾」個人が世間の注目を浴びるようになって久しい。原作者やファンの思いに沿う沿わないは別として、彼は一人の人間「跡部景吾」あるいは「跡部様」として存在し、もはや現実社会にとっても「『テニスの王子様』に登場するライバルのうちの一人」ではなくなっている。作品の中でも、現実社会でも、様々な成長をしている。成長を見ているのだから、跡部景吾を好きでいると楽しいのは当然であろう。そして、『テニスの王子様』の代表として前面に出てくる跡部景吾に興味がなければ、嫌気が差してしまうのもまた当然であろう。しかし、私にそれを気付かせてくれた女性も、今では原作での跡部景吾の行動ひとつひとつに一喜一憂している。みんなで跡部景吾を好きになろう、などとは提案しないが、『テニプリ』に巻き込まれてしまった全員が祭りを最大限に楽しめるよう、同じファンの一人として願っている。

 

 

あとがき

 アンケートにご協力くださった皆様、本当にありがとうございました。1日足らずで300人以上の方にご回答いただけるとは思っておらず、早めに締め切る運びとなりました。一番はじめに好きになったキャラクターと現在好きなキャラクターの移り変わりなど、跡部と関係ない質問の結果についても、後程まとめたいと思います。

 当日にお祝いできなかったことが本当に心残りですが、今年は宍戸亮の誕生日すら祝っている余裕がなかったので、仕方ない……テニスの王子様を愛するすべての人に幸あれ。