怪文書

オタクに幸あれ

ダイアリー オブ フリーティングドリーム

 私の弟が産まれる前、母は「今この子(私)ひとりに注いでいる愛情が半分になってしまうことが怖い」と言ったらしい。それを聞いた父は「愛情は2倍に増えるから大丈夫」と返したそうだ。

 そんなことを思い出しながら、この日記を書いている。

 

 

9月16日(土)

★テニラビ試遊会@新宿
 プレイステーションパラッパラッパー以来まともにリズムゲームをしたことがなかったので、降ってくる球に混乱しただけで終了。
★ランチ@渋谷タワレコカフェ
 友人に試遊会の話をすると「他のゲームで練習しとけば?」と言われる。女アイドルのなにかを勧められたが、萌え声苦手だからなあ、などと文句を言いながら帰路につく。

 

9月17日(日)
 スマホをいじっていたところ、リズムゲームをしよう!という気分になる。
 ドリフェスに遭遇したのはこのときだった。
「去年のハンサムで見たやつだ」というのが第一印象。次に、絵が好みだと思った。そのあと、iTunes Storeの評価を見て、これだと思った。この評価を書いてくださった方が、私とドリフェスを引き合わせてくれたと言っても過言ではない。

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 私は乙女ゲームをするし、夢女でもある。だが、乙女ゲームに関しては『ときめきメモリアルGirl's side』シリーズこそが頂点であり、他の誰が何を作ろうとこれを超えるものはないと思っているので、中途半端な(※主観です)乙女ゲームの要素がない、のにイケメンがいっぱい出てくる、というドリフェスは、文字通り夢のコンテンツだった。
 しかもハンサム。好きでしょ、絶対。即インストールした。聞いたことがないに等しい楽曲なのに、めちゃくちゃ面白かった。この日のうちに2000円課金して、裸ドリカのトップスを引いた。裸ドリカで頭がいっぱいになり、ラジプリを聞くことができなかった。

 

9月18日(月・祝)

 とりあえずYouTubeでアニメ一話を見た。リアリティのある声と演技、軽快なテンポで進むストーリー、ドリカタイム、ライブシーン、全部ドツボだった。しかし、お金を出してこれ以上観るかどうかはもう少し咀嚼してからにしようと一旦落ち着く。

 公式ホームページを舐め回すように見て精神の安定を試みた。天宮奏のプロフィールで「高校2年」とされていた欄が「ー」になっている佐々木純哉を見て、中卒か!? と興奮したことを覚えている。平成も終わろうとしているこの時代に中卒金髪アイドル。これはまずい。好きに決まってる。まったく落ち着けなかった。またアプリに課金した。薔薇のズボンが出た。

 夕方、ツイッター内を「ドリフェス」で検索。なにやら「ファンミ」なる聞きなれない言葉が飛び交っている。今日はイベントが開催されているらしい。時すでに遅し、しかし得体の知れない衝動に駆られ、近所のゲームセンターへ筐体を叩きに向かう。グローリーストーリーの「ちょっとばかりの」の振り付けがかわいくて永遠に見ていられると思った。お札がたくさんの100円玉に替わって、そのあとまた厚紙になった。

 アルバムを見てみたら、一番古いスクショはこれだった。私とドリフェスの歴史は裸ドリカとともにある。

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9月19日(火)

 人生で初めて、通勤電車の中でリズムゲームをした。

 

9月20日(水)

 耐えきれずdアニメストアに登録。一期のアニメを4話まで視聴する。

 

 9月21日(木)

 家を出る前にアニメ5話と6話を見る。

 一日中、トラフィックシグナルに「THRILL」を歌ってほしいということばかり考えていた。帰宅後にアニメ一期を完走。10分足らずの間に「モブから殴られる男を男が助ける」というやつの両方のポジションを2人がやってのけたKUROFUNEに、開いた口が塞がらなかった。午前2時に泣きながら12話を見終えたときには、完全に魂がイカれていた。

 

9月22日(金)

 もはや仕事のできる精神状態ではなかった。帰宅後、その時点の最新話であるR5話まで視聴。

 

9月23日(土)

 オタク作業を終えたらDMMシアターへ行こうと決め、10月1日に完成させる予定だったものを意地で仕上げる。作業中はずっとドリフェスのアニメを流していた。

 夜中、朦朧としたまま翌日のDMMシアタートラシグ回を予約した。

 

9月24日(日)

★イリュージョンShow Time @DMMシアター

 出かける準備をしているときに、午前の回が機材トラブルで中止となったとの報が入る。もしかしたら、私がドリフェスを好きになることについて、神様がNGを出しているのかもしれないと泣いた。が、トラシグ回は無事見られたので、神様は私の背中を押しているんだと思った。

 一度訪れたことのある会場ではあったが、「いる」感覚があまりにも強くて、小さい体を屈めてファンサしてくる千弦がかわいすぎて、バードケージのときの脚が良すぎて、気を失いそうだった。

 周りの人たちが持っていたドリカ型ペンライトが羨ましくて羨ましくて、欲しくて欲しくて、帰りの電車で取引用の捨てアカを作り、ファンミ大阪公演のチケットを譲っていただくことに成功した。

 

9月30日(土)

★ファンミ03@大阪・堂島リバーフォーラム

 一週間以上、家にいるときはずっとドリフェスのアニメを見ていて、毎日2時間くらいしか寝ていなかったが、なぜか肌がツヤツヤピカピカだった。女の肌をきれいにするのは食事よりも睡眠よりもときめきだ。最高のコンディションで初の3次元イベントに参加した。

 念願のドリカ型ペンライトを手に入れたことで、天にも昇るような気持ちだった。ドリカが売り切れていたので怒り狂いかけたが、入場特典として一枚貰えたので事なきを得る。

 ドリフェスのイベントには初めて来たはずなのに、既視感があった。なぜだろう。そうだ、アミューズだ。ハンサムライブやThe gameで感じたことのある雰囲気が、そこにはあった。アニメの声優イベントではなかった。アミューズなのだ。勝手知ったるアミューズの若い男のイベントだ。DMG歌うかと思った。アウェイじゃない、私はここにいても大丈夫だ、と気付いた瞬間から、もうめちゃくちゃに楽しかった。本当に悔しいけど戸谷くんにメロメロになって会場を出た。もともと水田航生くんのファンだったのだ。これは仕方ないだろう。許してほしい。

 

10月1日(日)

★うちわ配布

 朝イチでてっぺんへ行く。その足で池袋のうちわ配布に参加した。めちゃくちゃオタクしてる。

 

10月7日(土)

 一緒にオタクイベントへ参加した後輩から「どうしちゃったんすか!?」とドン引きされる。だがこの後輩も数か月後にはドリカライトを振ることになる。

 

10月9日(月・祝)

 四半世紀以上の付き合いがあり、中学時代をともに氷帝学園夢女として過ごした幼馴染と買い物に出かける。ドリフェスでヤバイ状態にあることを話すと、「あなたをそこまで狂わせた男が見たい」と、その場でアプリをインストールしてくれた。2か月後に会ったとき、彼女は追憶のロンドンをきちんと走っていた。

 

10月14日(土)〜16日(月)

★京都旅行

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 新幹線で食べる昼食にマグロとエンガワの寿司を買っていた。ぬいに慣れていないので写真の撮り方がひどい。

 薄々感づいてはいたが、ドリフェス知名度が低いことに改めて気付かされ、ブログを書こうと決意する。ドリフェスのこと知らない人なんでこんなにいるんだよ、おかしいだろ、とドリフェスを知って1ヶ月の身ながらも思った。

 

10月26日(木)

 Amazonから一期のBD全巻が届く。これにともないdアニメストアを解約するが、流れるようにアニメイトチャンネルへ行く。

 

10月29日(日)

 前述の記事を公開。その節はたくさん見ていただきありがとうございました。

 

11月1日(水)

ドリフェス!R 11話先行配信日

 頭が痛くなるくらい泣いた。ドリフェスのことがめちゃくちゃ好きで、もはや熱に浮かされた一過性の恋ではなく、愛になっていると気付いてしまった。(ポエム)

 

11月3日(金)

★AGF

 存在を知ったときにはAGFのチケットが売り切れていたので、噴水広場だけ観に出かけた。現地でナンパしたお姉さんにひっつきながら見た薔薇の三銃士。前にいた人が「よかったらどうぞ」と場所を譲ってくれた薔薇の三銃士。薔薇の三銃士のことは一生忘れない。

 

11月4日(土)

★六角チムパ

 めちゃくちゃ面白くて、頬を叩かれたような衝撃を受ける。もしかしたらこの一ヶ月半、私は夢を見ていたのかもしれない。

★クロスドリームツアー

 夢じゃなかった。DearDreamは現実だったし、DearDreamを大好きな自分の気持ちも現実だった。

 同じテーブルになった女の子をナンパしたらツアー全通だと言うのでハッとなり、慌てて全公演申込む。

 

11月25日(土)

★クロスドリームツアー

 なぜか付いてきてくれたテニスの友人とともに風間圭吾に大はしゃぎする。

 

12月2日(土)

★イリュージョンShow Time @DMMシアター

 WM回。リアル女児が「かなでく〜ん」と声を出したので会場がほわハピに包まれた。

 

12月9日(土)

★イリュージョンShow Time @DMMシアター

 キャストが来たKUROFUNE回。席がめちゃくちゃ前の方だったのであまり記憶がない。戸谷公人くんの顔が良かったことだけ覚えている。

 

12月10日(日)

 友人を車に乗せ高速道路を走りながらドリフェスアニメを見せたところ、青いものを見た瞬間に「えんがわ」と言うようになる。

 夜中にてっぺんへ行ったらドリフェスのオタクがいっぱいいた。てっぺん、いつ行ってもドリフェスのオタクがいる。

 

12月17日(日)

 後輩のジャニオタとドリフェスを鑑賞したところ、やはりことあるごとに「えんがわ」と言うようになる。夕飯は回転寿司になった。えんがわの即効性は一体なんなのか。

 

12月23日(土)

★イリュージョンShow Time @DMMシアター

 トラシグ回。やっぱり、天宮奏くんは、いる。江戸時代だったらDMMシアターは民衆の心を惑わすものとして取り壊されていただろう。ドリフェスくんと平成の世で会えてよかった。

 

12月24日(日)

★ハッピーメディアクリスマス

 この日、私が15年間信仰の対象としてきた神様は言った。「テニプリのほかのアニメとかを好きでもいいんだよ」と。想像力豊かなオタクなので、私に言っているのだと思った。テニプリは歴史が長いだけあって、ジャンルをかけもちしている人もいるし、一度離れてからまた戻ってくる人も多いし、なんと出戻りオタクを迎えるキャラソンまである(不二周助「おかえり」)。神様は、そんな人間をーーいつかそうなるかもしれない私をーー許すのだ。

 触れられるほど近い彼の姿を網膜に焼き付けた。この優しい人に、少し時間を置いてまた会いに来よう。そう思った。

 

 

 そして今に至る。

 人間って変わる。

 アクセサリーもスマホのケースも、カバンも爪もスニーカーも、水色だったものがぜんぶ赤色に変わった。これまで築いてきた自己が崩壊して、新しい人間に生まれ変わっているような気持ちがする。

 テニプリだけを愛していることが自分のアイデンティティだと思ってきたけれど、いま、ドリフェスのライブ会場で、好きという気持ちが涙になってぼろぼろ溢れてくるくらいに、ドリフェスのことが大好きになっている。私が私ではなくなってしまったみたいだ。

 でも、好きなものはひとつでなければいけないわけじゃない。冒頭で書いた両親のやりとりのとおり、好きなものが増えれば、きっと愛情をためておく器も大きくなる。私は弟と比べて愛情が足りないなどと感じたことはないし、弟を見ていても、ああこいつも親に愛されてるんだなと思う。愛情って無限に増えるのかもしれない。

 

 私は、自分が自分でなくなる気持ち良さと気持ち悪さでぐちゃぐちゃになりながら、ものすごい覚悟でこのツアーを回っている。私をここまでさせたんだから、横浜のあともまた新しい明日を見せてね、DearDream。これからもよろしくね。