怪文書

オタクに幸あれ

君はドリカタイムの光を見たか

 1月10日東京、13日福岡でのDearDreamのライブに行ってきました。

 このあともバトルライブ含め全部行く予定なので、毎日「明日が楽しみ」という気持ちで生きていられるのですが、あまりにも多量の満たされた思いを抱えており、このままでは幸せの摂取しすぎで胃が破裂するので、少しだけライブのことを書いてガス抜きさせてください。

※以下<DearDream 1st live tour ユメノコドウ>の衣装・演出等に関する記述があります。

 

 

 

 

 ライブ中、「ドリカタイム」の映像演出がありました。

 舞台上のスクリーンにD-Fourシアターの客席が映し出され、2次元の観客が持つペンライトからドリカが発射(物理)される、いつものあのアニメ映像です。

 それに合わせて、私たち3次元の観客も皆思い思いのドリカを差したペンライトを光らせ、胸の前に掲げます。ここでのドリフェスのオタクは本当に健気でかわいい。

 そして映像ではDearDreamがドリカをキャッチ。変身シーンを終えると、なんということでしょう、舞台にファイブスタービート*1の衣装を身に纏ったDearDreamが登場したではありませんか。

 何度も説明しますが、『ドリフェス!』には、ファンが 贈る(物理的に発射させる)「ドリカ」をアイドルが受け取って、その衣装に着替えるシステムがあります。下の動画は開始位置を設定してあるので、ここから2分ほど見てもらえればわかります。

 

 

 これが、現実でおこなわれてしまったのです。

 私たちの贈ったドリカ(概念)をアイドルがキャッチして着替えたよ、という演出なんです。

 ファンミ03でもAGFでも同じような雰囲気はあったのですが、今回はアニメで描かれているD-FourシアターのモデルがTDCホールということも相まって、とにかくすごくて、ハア…………みたいな感じですよ。感嘆の声しか書きようがない。この気持ちを表現するにふさわしい、新しい形容詞がほしい。

 

  このデジャ・ヴュ(あるいはジャメ・ヴュ)だけでもすさまじい驚きと感動なのに、私はこの日のライブ前、引いてしまっていたんですよ。

 

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  そう、ファイブスタービートを。

  あの瞬間、ドリカペンライトに入れて光らせていたんですよ、ファイブスタービートを。

  同じカードを入れて掲げていた方は絶対に仰け反ったと思います。「もしかして、私のドリカを……!?」って。だよね? 絶対そうでしょ? すごい。5次元だ。いかれてる。ドリフェスくんは天才。ロックにもほどがある。好き。ほんと好き。

  もう参加してドリカタイムを経験したひとも、今後参加してこれを経験する未来があるひとにも、最高超えた明日が待っていますように!みたいな、世界平和を願うような言葉が出てしまうほど私は幸せです。どうかツアーが最終日まで無事におこなわれますように!!!!!!!

 

あした私は知らない男に抱かれる

 

初めてTDCホールへ行ったのは、2009年の10月。

中学テニスの全国大会決勝戦のために立見席を取りました。当時はまだJCBホールという名称でした。
公演についての記憶はDVDの映像に上書きされてしまったけれど、そうめんが全然見えないと怒り狂ったことはよく覚えています。
それから8年以上、同じ場所でたくさんの試合を見てきました。

 

あした私は、その会場に、生まれて初めてテニスの試合ではないものを観に行きます。

 

「王子様」に恋をした14歳の夏から十数年。
私はもはや『テニスの王子様』という概念と結婚に近い結びつきをしており、一生添い遂げるつもりで生きています。人々は、まるで『テニスの王子様』を悪い魔女のように扱い、しばしば「いつか夢から覚めると良いね」などと言いました。ですが、夢女としてキャラクターと結婚したいとかそういうことではなく、3次元に生きる私が『テニスの王子様』(概念)と結ばれ、満たされていたので、他には何も必要ありませんでした。

 

あした私は、そんな平穏な日々に突然現れた異邦人を観に行きます。

 

通い慣れた場所で、よく知らないけれど今とにかく好きで好きでたまらない存在を観るーーこれは、自室で知らない男に抱かれるのを待つ感覚なのです。いやそんな感覚知らんけど。

楽しみなような、怖いような、とにかく24時間後の自分の姿が全く想像できません。わかるのは、まちがいなく今よりも24時間後の私が幸せになっているということだけです。

 

(DearDreamのツアー初日前夜なので心に留めておけない思いが爆発して書きました。頭は大丈夫です。)

http://pot.hatenablog.jp/entry/2017/10/29/223042

許斐剛先生トークショー「ハッピーメディアクリスマス」

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 2017年12月24日、許斐剛先生トークショー「ハッピーメディアクリスマス」に参加してきました。12:45に集合し、14:00過ぎに開演、イベントが終わったのは19:00。休憩なしで6時間以上座っていました。テニミュ立海公演どころの話じゃなかった。腰が爆発するかと思った。でも、あのとき、世界で一番素敵なクリスマスイブを過ごしていた自信があります。

 

 

VRの話

 ゲストは森田純正さん。2016年の一人テニプリフェスタや、DMM VRシアターでのライブに携わったステージプロデューサーです。

 森田さんは、一人テニプリフェスタの開催にあたって、「鉛筆で描いた絵でも良いから、キャラクターを動かしたい」と言った許斐先生に「X JAPANのHIDEさんのVRをテニプリにも使えるのでは」と提案。それが見事に実現したそうです。

 イベントでは、跡部・手塚のバースデーライブのダイジェスト映像を観賞しました。当日、会場の一番後ろで見守っていたという許斐先生。「我が子の参観日」のような気持ちになり、喜んでいるファンに直接「ありがとうって言いたくなった」ので、急きょ最終公演後にステージへ立ったとのことでした。また、完成されたプログラムだとしても「今回の手塚はうまくなったな」「失敗するなよ」などと思いながら見ていたとも話していました。

 ここで流れた映像に関しては、「VRは本当にお金がかかっているから……」と話し、ファンの手元に残るかたちで出したいとの話題も出ました。アップになった跡部と手塚の顔が、原作そのままに立体化したとしか言えない素晴らしい造形だったので、ぜひ家庭でも眺めたいものです。

 

楽曲の話①

 楽曲コーナー一人目のゲストはUZAさん。

U-17高校生楽曲

 UZAさんみずから志願して制作したそうです。許斐先生は平等院鳳凰*1「強いやつを増やすより 肝心なのは 弱いやつを減らすこと」というフレーズがお気に入りとのことでした。

たとえば今…

「ここで僕らは出会ってしまった」*2がテニフェス2016の投票で1位を取っただけに、中途半端なものは作れないと相当悩んで「たとえば今…」*3を制作したそうです。

1 FOR 214

 宍戸のセカンドアルバム*4に収録されている中で、許斐先生が一番気に入っているという楽曲。「作った人の才能に嫉妬した」「宍戸の優しさを伝えるのに、本人のことを書くんじゃなく、周りの部員を見ている描写をするなんて」「こんな優しさの書き方があるんだ」などと絶賛していました。なお、これはUZAさんの制作ではありません。

意外性のある楽曲

「裏声になった時点でキャラじゃなくなる」として、ふつうキャラソンでは使われないというファルセットですが、テニプリは長くやっているうちに受け入れられるようになっている、とUZAさん。「お遊び的なものも歌ならでは」と言うと、すかさず先生から「でも原作の日吉は筋トレしない」との言葉が飛びます。許斐先生、Do it!!に対してけっこう辛辣だよね。

 

サマバレ特番の話

 ゲストはワタベカズ彦さん。許斐先生楽曲のMVと、2017年8月14日の特番の監督です。ここではまさかの特番全編(生放送部分は除く)を観賞しました。ニコ生のコメント付き映像だったため、視聴者のコメントに対して先生や監督がコメントを返すという愉快な時間です。

 サマバレ特番は、VRキャラクターの台詞だけでなく動きまですべて許斐先生が監修しているため、VRアクターさんがモデルとするために、先生自らが動きを撮影したそうです。また、当初は100位~50位は表を映すだけの予定だったはずが、先生の「描こう」の一言であの演出になったとのことでした。

 真田のコメント時の「D気持」や跡部の「CROSS WITH YOU」などの選曲は監督さんによるもの。やはり「納得なんてできない」は、そういう意図で使われたそうです。

 応募者全員サービスの缶バッジは、「漫画とは違って、ずっと身につけてくれるものなので、漫画よりも気合が入っているかもしれない」と先生。「今年も働いたなあ」と2017年を総括し、「でも、ものすんごく楽しかった」とのことでした。バレンタインチョコレート集計所での先生の様子を映したタイムラプスも見せてもらったのですが、個数を書きこむというちまちました作業を先生ご自身がされていて、そんな……言ってくれればタダで働くのに……という気持ちしかありません。

 

楽曲の話② 

 ゲストの松井Pが、登場早々「バレンタイン リアルランキング」を発表します。

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 数字までは発表されていませんが、「1位はダントツ」だったとのこと。先生は「チョコは贈るけどバッジは買わないんだよね」と厳しい一言。考えさせられますね。

 

プレゼントコーナー

 一人テニプリフェスタのときにアニメイトで配布した色紙やVRライブのポスター、イベントのスタッフTシャツ、HMSジャンパー(背中にサインを書いてくれる!)などのほか、最後にサプライズで「その場で色紙に好きなキャラクターを描いてもらえる権」が。当たった方がとても幸せそうにしていて、会場中がハッピーな空気に包まれました。

 

ライブコーナー

 おそらく一時間は歌っていたのではないかと思います。曲は、UZAさんによる弾き語り「future」「白い世界で君と」等のメドレーと「あなたに」、楠田さん「1 FOR 214」、先生と楠田さん「悲しいね…キミが近すぎて」、先生とUZAさん「大好き」、先生と楠田さんとUZAさんと突然乱入してきた津田さん「LASER BEAM」、先生「フェスティバルは突然に」(※手塚の名前刺繍入り青学ジャージを羽織る)「ハッピーメディアクリエイター時々漫画家」だったと思います。「ハッピーメディアクリエイター時々漫画家」は、サビ部分を「ハッピーメディアクリスマス」「ハッピーバースデーリョーマ」などに変えて歌っていました。

「悲しいね…キミが近すぎて」について、先生は「自分で歌ったけど、もともとキャラクターに歌ってほしいと考えていて、手塚と不二にも歌ってもらえないかと思っている。他にも、跡部と忍足、宍戸と鳳とか、大石と菊丸とか」と話していました。

 でも、これはキャラクターが我々に叶わぬ片思いをしている設定の曲なので、キャラクターの声で歌われるのは本当につらいです。宍戸亮の夢女が現地で声優さんの顔を一切見ずに聞いてそう思ったので間違いないです。実現するかどうかはわかりませんが、覚悟はしておいたほうが良いと思います。突然歌われてしまった宍戸亮のオタクからのアドバイスです。

 

 個人的にこの日最も衝撃的だったのは「一番はじめに滝を出したとき、アメリカ映画で久役の横にいるオンナ役、かわいがってもらってる役、のつもりで描いた」から、滝は跡部を「景吾くん」と呼んでいる、という先生の発言でした。妙な妖艶さの理由がわかりました。ハッピーホリデイ!

*1:

THE BEST OF U-17 PLAYERS XIHouou Byodoin

THE BEST OF U-17 PLAYERS XIHouou Byodoin

 

*2:

ここで僕らは出会ってしまった

ここで僕らは出会ってしまった

 

*3:

たとえば今・・・

たとえば今・・・

 

*4:

新テニスの王子様「I’ll be right here」

新テニスの王子様「I’ll be right here」

 

画面の向こうからの呼び声

 心地良く晴れた休日の昼下がり。渋谷駅を発車した半蔵門線の車内には、くぐもった走行音が響いていた。乗車率100パーセントをやや下回る穏やかなその場で、友人は言った。

「ド!に行った人って、みんな天国だ天国だって言うけど、なんで?」と。

 

 確かにドリフェス!は浄土である。

 しかし、それはドリフェス!に限ったことではなく、オタクにとって好きな作品はすべて浄土なのではないだろうか。さらに、浄土は浄土でも、おそらく極楽だ。

 極楽(sukhāvatī)とは、「幸福のあるところ」と直訳される。憂き世に生きる肉体を、精神面から支えてくれる極楽浄土、幸福に満ちたところ。オタクにとって、好きな作品はまさにそれなのである。だからことあるごとに宗教などという言葉が出るのだろう。 

 

 とはいえ、ドリフェス!があえて話題に取り上げられるほどの浄土であることは間違いない。

 では、ドリフェス!を浄土たらしめているポイントはどこか。ストーリーが面白い。キャラクターが魅力的。中の人の顔面が宇宙一良いアイドルアニメ。それもある。だが一番は、オタクにとことん優しいところだ。

 もちろんガチャの話ではない。自分が貧乏なために推しをチンドン屋にせざるをえないアプリのガチャの話はしていない。でもチンドン屋の推しも最高超えてかわいいから全然問題ない。なお、現在ツイッターでは珍装大喜利大会が開催されているので、ぜひ 「#2017年ベストコーデ」で検索をしてみてほしい。*1

 

 ドリフェス!がオタクに優しいということは過去にも書いたが、ドリフェス!がオタクに優しいことは私にとってのサビなので何度でも書く。今回は楽曲をフィーチャーしたい。

 

ドリフェス!ファン向け楽曲

 本当に楽曲が良い、というのは、アイドルジャンルの人間の常套句だが、ドリフェス!は楽曲がめちゃくちゃ良い。その中でも、“ファン向け”と取れる楽曲がとにかく優しいので、代表的なものを4曲紹介したい。

 なお、歌詞の解釈については「歌は世に出た時点でそれぞれの人のものになる」という及川慎くんの名言を前置きしておく。

 

グローリーストーリー*2

 この曲にはこのような歌詞がある。「僕にはちょっとばかりの夢があるのさ」「君にも知ってほしいんだ 力を貸してよ」。ここでは、「僕」=“アイドル(キャラクター)”、「君」=“ファン”を意味している。そして、アイドルの「僕」には、「君に見せたい景色が」あり、光溢れるその場所へ私たちを「連れて行きたい」と歌っているのだ。甲斐性がありすぎる。

 

Dream Greeting!*3

「Hello,my precious」から始まる曲。「card」に対して「放て」「飛ばせ」が掛かっているので、完全に『ドリフェス!』世界でのアイドルからファンに対する楽曲だ。

 そこに「my precious」が出てくる。叶姉妹さんの使う「プレシャス」は「モーニング」等につく形容詞だが、ドリフェス!くんは「precious」を、ファンを表す名詞として使っている。「大切な人」とか「愛する人」とか、そういう意味の単語をファンに向けてくるのだ。推しがオタクをオタクとしてこんなふうに扱ってくれるコンテンツある?あるのかもしれないけど私は知らない。普通に気が狂う。

 

君はミ・アモール*4

 これにも「Card」という表現が出てくるので、ファン向け楽曲と捉えられるだろう。

 冒頭から不思議な踊りをしながら「We'll Be In Your Pleasure」と投げかけてくるKUROFUNE。アイドルとしての彼(ら)の覚悟を感じられる至言だ。そしてサビでは「Reply Your Call,I Reply Your Love」。愛に応えてくれるアイドル。心の開国待ったなし。

 

ありがとうの数だけ笑顔の花を咲かせたい*5

※この動画の2:10あたりからかかっている曲です。中の人の顔面が宇宙一良い二次元コンテンツなので気を付けてください。

 これには、「キミの ゆめに なってもいいかな?」「僕の ゆめに なってくれますか?」というフレーズが出てくる。そして「Thank for my dear」から始まる大サビを“DearDream”に歌われる趣深さ。この曲は全編にわたってファンを意識したおしゃれなスパイスが散りばめられているので、全アイドルファンの人類に聞いてほしい。

 

 

 現実のアイドル楽曲との比較

 AKB48などの歌詞には学生設定と思われる「僕(=ファン)」と「君(=アイドル)」がしばしば登場することについて、下記のような考察がなされている。

楽曲の主人公が「ファン」であることは間違いなく、だからこそファンとアイドルとで曲の世界をともに作り上げているかのような稀有な体験を味わえる。

このような「“僕”“君”ソング」は、いうなれば“おっさんの憧憬”である。アイドルたちが“おっさんの憧憬”を歌い、ファンの気持ちを代弁してくれるという事実は、「アイドルを応援する」というファンの行為を強く肯定することとなる。そして、結果としてアイドルへの思い入れもより深まっていく。

楽曲の主役はあくまで“ファン=僕”であり、アイドルは楽曲の中の“君”という存在に徹することが求められるのだ。

 なるほどドリフェス!のファン向け楽曲と近しい意図が感じられるらしい。ただし、大きく異なるのは、楽曲の主人公の立場である。上記のアイドル楽曲では、アイドル側が「僕(=ファン)」から「君(=アイドル)」への気持ちを歌うのに対して、ドリフェス!の楽曲では、アイドル自らが「僕(=アイドル)」から「君(=ファン)」への気持ちを歌う。

 つまり、ドリフェス!のファン向け楽曲は、この記事で考察されている秋元康氏の歌詞とは真逆の意味を持つ。D-Four Productionのアイドルは、ファンの気持ちを歌わない。彼らは、アイドルの「僕」は「君」たちファンのことを大切に思っているよ、と歌うのだ。

 

 さらにすごいのは、2次元のDearDreamが同じ2次元に存在するファン(なぜか服装等の描写が異様なほど的確)へ対してそれを歌うだけではなく、3次元のDearDreamが、同じ3次元に存在する私たちファンへ対して歌うだけでもないことである。

 キャラクターが2次元と3次元あわせて5次元とかいう、わけのわからない作られ方をしているために、2次元として描かれているファンも、3次元の私たちとイコールの存在になってしまうのだ。ゆえに、2次元のキャラクターが2次元のファンに対して叫ぶ「ありがとう」も、「Thank you for my dear」も、そのまま3次元の私たちに響いてくる。下記の図に示したとおり、次元の垣根が5センチくらいしかないから。

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  オタクとして少なからず後ろめたい気持ちで人生を送ってきた身にとって、ファン(オタク)であることを肯定される心地良さは筆舌しがたい。推しに、画面の向こうから、ありのままの自分を認めてもらえる幸福感。きっとここが天国なんだと思う。

 

*1:

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Is there a Santa Claus? (キャラクターは存在するか)

 「アニメのキャラに心はない」

 そんな発言を耳にして、この社説を思い出した。

 サンタクロースはいるの?ーー少女の純粋な心に応えた、あまりにも有名な文章だ。

“Yes, Virginia, There is a Santa Claus” | Newseum 

there is a veil covering the unseen world which not the strongest man, nor even the united strength of all the strongest men that ever lived, could tear apart. Only faith, fancy, poetry, love, romance, can push aside that curtain and view and picture the supernal beauty and glory beyond.

 目に見えない世界はベールで覆われていて、力ずくではそれをこじ開けることはできない。信じる気持ちや愛する心だけが、その向こうの、美しくすてきなものにふれられる。

 

 

 私には、サンタクロースの存在を信じた記憶がない。クリスマスの夜は、夕食をとっているときに両親から直接プレゼントをもらっていたからだろう。

 そんな私が、いま「サンタクロースは本当にいるの?」と問う子どもたちに、「いるよ」と答えている。

 二次元のキャラクターに傾倒している身だからこそ、「いる」とはっきり断言できる。今は見えなくても、ふれられなくても、信じているからそう言っている。たとえ自然のものではなくても、サンタクロースもキャラクターも、一人一人がその存在に神様のような力を宿していると願うから、彼らは「いる」のだ。

 

 

 Are there “character”s?

 私たちの愛するキャラクターは、物理的には存在しない。

 けれど、見たことがないからと言って、触ったことがないからと言って、存在しないと言えるだろうか。

 誰かーー三次元だろうが二次元だろうがーーを好きになる気持ちだって、目に見えないし、やわらかいとか固いとかの感触もない。いつもあやふやだ。

 それでも、そんな不定形な自分の心を信じられるというなら、キャラクターの存在を認めることも同じなのではないかと思う。

 Yes,OTAKU,there are “character”s.