テニスのこと

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チョコレート白書2017

 今月14日に放送されたハッピーサマーバレンタイン特番*1において、2017年のバレンタインチョコ獲得ランキングが発表された。

 その際、許斐剛先生は、今年のバレンタインについて「(印象的だったのは)聖ルドルフ不動峰、六角など、初期校のキャラクターたちが上位にくいこんでくれたこと。初期校のファンの方々が長い間応援してくださっていることに感謝しつつ、これからもキャラクター一人ひとりを大切に育てていきたいと思います」と語った。

 2017年のバレンタインを象徴する最たるもの、それは天根ヒカルの1位獲得だろう。だが、彼以外にも、「初期校」キャラクターの活躍が目立っていた。

 今回は、「初期校」を、全国大会で青学と対戦していない「不動峰」「聖ルドルフ」「山吹」「六角」の4校とし、学校単位で焦点をあててバレンタインチョコ獲得数の推移を見ていきたい。なお、玉林・銀華・緑山に関しては、獲得数が少ないこと、年によって獲得数が大きく変化し平均が出しづらいことを理由とし、今回は割愛させていただく。

 

 

1.年ごとの概要

※正確な合計個数が発表されていない年もあるため、該当校(不動峰聖ルドルフ・山吹と青学・氷帝立海・比嘉・四天宝寺)のみでの合計個数で計算しています。

※玉林や銀華、緑山、城西湘南、名古屋聖徳、獅子楽、および学校に所属していないキャラクターやカルピンなどは除外しています。また、青学はレギュラーのみの個数としています。顧問も除外しています。

 2001年~2002年:青学一強の黎明期

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  学校ごとのチョコ獲得割合はご覧のとおりである。

 2001年は不動峰の神尾と伊武、聖ルドルフの観月がチョコレートを獲得。2002年には、不動峰聖ルドルフ、山吹、氷帝の4校の割合が5%前後とほぼ同じであった。

 

2004年~2005年:氷帝の台頭

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 2004年からランキングに六角が登場する。氷帝が大きく獲得数を増やした。2004年と2005年は、青学・氷帝だけで全体のおよそ8割。「初期校」の獲得割合は1~3%で、残りの1割を4校(+四天宝寺)、もう1割を立海で取るような状況だ。

 

2006年~2008年:立海の台頭

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 原作で全国大会決勝戦が描かれたことから、立海のチョコ獲得数が大きく増加。

 2006年のランキングからは比嘉が登場し、『テニスの王子様』で青学が対戦する学校がすべてバレンタインに出揃った。2006年~2008年については、青学・氷帝立海の3校で全体の9割のチョコを獲得している。「初期校」の獲得数は、それぞれ2%以下にとどまる。1%を割ることも珍しくなかった。

 

2009年~2010年:四天宝寺の台頭

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  序章が終了し『新テニ』が始まったこの時期、ミュージカルの影響から四天宝寺が大きく獲得数を伸ばした。氷帝の割合が多いことは変わらず、「初期校」以外の学校で全体の9割以上を占めている。「初期校」はそれぞれ3%以下となっており、2009年には聖ルドルフ・山吹の2校が獲得割合0.5%を下回った。

 

2011年~2013年:1位以外も1,000個超えの時代へ

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 2011年には35位で獲得数100個超え、7位で1,000個超え、2012年には46位で100個超え、5位で1,000個超えと、寄せられるチョコの数が跳ねあがった。(2010年には20位で100個超え、1,000個を超えたのは1位だけであった。)そんな状況で氷帝が約半数を獲得し続けるこの頃、聖ルドルフを筆頭に、「初期校」の獲得割合が伸び始めた。

 特に2012年。不動峰は07年以来の1%超え、聖ルドルフはこれまでで最も多い4.4%、山吹は2005年以来7年ぶりの3%超え、六角も過去最多となる4.3%を記録した。2006年以降11年まで、全体獲得数に対する4校合計の数は5%程度であったが、2012年には12.9%と、数字が跳ねあがった。

 続く2013年には、六角が10%を獲得。「初期校」4校合わせての獲得割合は27.5%にまで伸びている。比嘉を超える「初期校」も多くなった。

 

2014年:跡部と不二の年

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 2014年、「初期校」の割合は前年より下がるが、跡部に6万個以上、不二に約4万個のチョコが寄せられたことが影響している。数字だけを見て前年と比較すれば、不動峰は622個から1,734個へ、聖ルドルフは2,794個から9,643個、山吹は3,538個から7,849個へと、獲得数を大幅に増やしている。六角については、4,007個から1,945個へ半減した。

 

2016年:バレンタイン中止を経て

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 2015年のバレンタインチョコ獲得数集計中止を経ての2016年。集まったチョコの数は10万個を超えた。この年は伊武が総合2位となった影響もあり、不動峰の獲得数が10%と過去最高を記録。4校合わせての割合は21.4%だった。

 

2.2017年のバレンタイン

 そして今年、2017年の結果は下図のとおりである。

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 全体に対する4校合計の割合は36.7%で、これまでの年で最も高くなった。学校ごとの偏りが少なくなっていることは、グラフの色合いで一目瞭然だ。

 2017年の割合と、各校登場後から2017年までの割合平均を比較すると、山吹は約1.6倍、不動峰は2.5倍、聖ルドルフと六角は3倍以上のポイント増である。

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 2016年3月~2017年2月までには、U-17戦(試合があった日本勢は越知・大石、遠野・切原、種ヶ島、真田・幸村、跡部・不二)が描かれた。原作以外では、テニプリフェスタ2016においてキャラクターソングのランキングが発表され、「初期校」柳沢・木更津の「青い炎」が上位にランクイン。ミュージカルは「TEAM LIVE 聖ルドルフ」「TEAM LIVE 山吹」「Dream Live 2016」「青学VS氷帝」「青学VS六角」の公演があり、「初期校」は全校関わったことになる。ミュージカルに関して今年とほぼ同じ状況だったのは2012年のランキングだが、やはりこの年も「初期校」全校が前年比2~4倍程度に増えていた。バレンタインのランキングとミュージカルの興業は比例していると言えるだろう。

 さて、この「初期校」躍進は、2017年に突然始まったことではない。下のグラフで見ると、「初期校」の割合は年々増加傾向にあることがわかる。

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 2006年~2011年まで4校合計で全体の5%程度だったものが、2012年に12.9%、2013年に27.5%、2014年に12.5%、2016年に21.4%、そして2017年には36.7%となった。これにともない、青学や氷帝立海などの割合は縮小されている。

 

3.天根ヒカルについて

 今回1位に輝いた天根ヒカル。前年比でチョコレート獲得数10,038個増、順位は54上昇となっている。個人での獲得数が1万個を超えたのは、2014年の不二・跡部以来史上3人目である。

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 Twitterでは「天根ヒカルに1万個送った」と名乗るファンも見られたが、それが真実かどうかはさておき、こういった獲得数急増の場合、一人あるいは少人数のファンによる大量の贈り物が影響していることが多い。2016年3月から2017年2月までの1年間の、天根ヒカルの露出を考慮すると、今回もそうなのだろう。よって、「なぜ突然1位になったのか」という考察は、その一人あるいは数人がそう思い立った理由を訊かなければわからない。宝くじが当たってチョコレート購入資金ができたのかもしれないし、突然彼への想いが爆発して贈らずにいられなくなったのかもしれない。どんな背景があるにせよ、キャラクターへの愛を目に見えるかたちで示したいという思いからの行動には違いないだろう。

 

4.総括

 許斐先生の言っていたとおり、「初期校」の活躍がめざましいバレンタインとなった。

「初期校」という言葉は、青学と全国大会で戦っていない、原作初期に登場した学校をさす。しかし、それだけではなく、主人校である青学や、原作絶頂期に試合描写のあった氷帝立海と比べて、すこし人気の落ちる学校という印象があったことは否めない。*2

 いま、そのイメージは変わりつつある。バレンタインチョコレート獲得数推移や、テニフェス2016で全校のグッズが発売されたこと、2015年のキャラマイド*3での内村1位獲得などが作用している。「初期校」はやはり青学や氷帝立海と比べてファンの人数は少ないかもしれない。だが、少数精鋭であることを自分たちで理解しているからこそ、たくさんチョコレートを贈り、写真も印刷する。一方、これまで上位を占めてきた学校は、放っておいても、自分ひとりが頑張らなくてもチョコレートが集まる状況に慣れている。その意識の差が、ここ数年のバレンタインチョコレート獲得数に影響しているのではないだろうか。

 順位が一番大事なわけではない。勝ち負けだけが全てじゃないって誰かさんが言っていた。それでも、テニスの王子様たちが勝利を目指して試合をするように、やるからには勝ちたいと思ってしまうものだ。ましてや今回の缶バッジや特番でのコメントのように、思わぬご褒美が与えられることもあるとしたら、原作での出番やグッズ展開の少ないキャラクターのファンこそ張り切るのかもしれない。もちろん氷帝のファンだって張り切るけれど。

 今回のバレンタインは、記事のタイトルにあわせてこの言葉でしめくくりたい。「もはや『初期校』ではない」そう言える日は近い、と。