切原赤也と先輩たちの関係について
切原赤也が最も信頼している先輩は誰なのか。最も切原赤也を信頼している先輩は誰なのか。
そんなものは個人の好みと言われてしまえばそれまでですが、自分以外のテニプリファンが、この件をどう考えているのかが知りたくて、アンケートを実施しました。アンケートはCREATIVE SURVEYにて2015年10月19日~20日まで公開し、回答数312(※完全回答でないものも含む)。ご協力くださった皆様、ありがとうございました。
184名(58.7%)が柳蓮二と回答し、半数を上回る結果に。
次いで丸井61(19.2%)、以下、真田28(9%) 、桑原27(8.3%)、幸村13(4.2%)、仁王2(0.6%)、柳生1(0.3%)となりました。
では、各キャラクターと切原赤也の関係について、寄せられた意見をご紹介いたします。
切原赤也と柳生比呂士
今回のアンケートで柳生と回答したのは1名でした。その理由に「他の人達は二次創作のイメージが強いけど柳生は原作、二次創作でも嘘つかないイメージ」とのコメントをいただきました。柳生以外は二次創作でキャラクターにブレが生じることがあり、ファンにそのイメージも強く残すけれど、柳生はキャラクターに一貫性がある(紳士的な行動・言動かどうかに限らず)ため、表裏のなさが赤也へ素を晒していることになり、それが赤也からの信頼に繋がっている、ということでしょうか。
回答者は2名。理由は「なんとなく」「悪友として一緒にいそう」とのことでした。悪友というよりは、ちょっとワルぶりたいお年頃の切原が、仁王のあの独特な雰囲気に憧れて慕い、仁王もそれを悪くは思ってはいない、という感じでしょうか。
回答者は、柳生・仁王からかなり増えて13名。「幸村が立海で一番強いから」「テニスの強さを基準に判断しそうだと私は思うので実力があり、部長である幸村かと」「バケモノといつつ憧れであると思うから」「誰よりも『有無を言わせずに納得させる感じ』があるのは幸村かなと」など、幸村の強さに憧れる切原の様子を理由に挙げた方が多く見られました。
切原赤也とジャッカル桑原
回答者は26名でした。
越前との草試合周辺を理由に挙げる方が多く、「何かにつけて赤也のお守りを任されていることから。テニス・学業・プライベート総合して赤也が一番気安く話したり頼ったりできる存在なのではないでしょうか。」「立海は部活を取り巻くオンオフがしっかりしているイメージがあるので、プライベートも含めた信頼に関しては原作でもめんどうを見ている描写があるジャッカルかと」などのコメントが。
また、「同じ目線でも話してくれそうだし、叱ってもくれそう」「プライベートも含めて懐くとなると、ある程度気さくで寛容な心を持ち、また同じ目線に立ってくれる先輩になると思うから」「なにか困った時に茶化したりせず冷静な判断を下してくれそうなのでジャッカルを選びました」といった意見もありました。
面倒を見ている、同じ目線に立ってくれそう、優しいなどの要素が、切原赤也との信頼関係に繋がっているようです。
切原赤也と真田弦一郎
回答者は27名。
ファンブックでは苦手なものに真田の名前を挙げている切原ですが、
「苦手なものに真田副部長と答えているのは、関わりが深いからだと思います」
「二言目には『真田副部長』って言う」
「学校生活などで切原赤也が少しでも疑問に思ったことにすべて答えてくれそう。テニスの内容として近いのは真田弦一郎だと思った」
「父子みたいな師弟関係みたいな副部長と後輩な2人。反発していると見せかけて昼休みには真田のクラスに出没しているところを見ると赤也懐いてるじゃんお前...!って思います。無我の境地を発動させた時、無意識の中で撃った技(恐らく赤也が深層意識の中で今まで見た中で最も強い技だと思っていたであろう)真田の「火」だったところに深い何かを感じずにはいられません。」
など、思い入れが強いからこそ苦手意識を抱いているのでは、という意見が見られました。
また、真田から赤也への信頼関係として「赤也自身より、真田のパーソナリティ(強烈な庇護者意識)に因るところが大きい」「愛あるビンタ」などのコメントや、「真田が山を切り開いてテニス場を建設する幸村に伐採される日本の林だとしたら、赤也はそこに生えるベニナギナタタケだから」よくわからないようでなんとなく理解できる解釈もありました。
無毒で食用にできるけれど、そんなにおいしくないキノコだそうです。赤也っぽい!
回答者は60名。OVA 「立海列伝~王者に挑む反逆児~」の描写を理由に挙げる方がかなり多くなっていました。
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「他の3年や白石については『尊敬』とか『恐怖(畏怖)』としての描写が多い。反面丸井はジャッカル同様年齢の近い兄弟というかコミカルな絡みも多いイメージ。」
「テニスだけなら三強を信頼してそうだけど、プライベートは全然信用してなさそう。ってなると入部したてのころから世話になってそうなブン太。」
「三強に対しては『勝ちたい』というプライド(?)があるため、なかなか素直に自分を出すことはできないと思います。丸井先輩は面倒見がいいので、そういう部分を上手く引き出していって、心を開けるような気がします。」
「柳さんは赤也君を対等な存在とは見てなさそうなので、自分がここと決めた関係の境界線を越えさせるようなことはしないのかな、と。丸井くんが一番、そういった人間関係に優劣をつけることなく、赤也君の送る信頼・人懐っこさに素直に答えてくれそうだと考えました。(ジャッカル君とも悩みましたが、ジャッカル君の方がやや一歩引いた考え方をしそうかな?)」
他の先輩と比べてみた結果、丸井を挙げた、という意見が非常に多かったのも興味深いですね。
ゲームセンターで遊ぶなど共通の趣味・性質があり、赤也を構って話を聞いてあげている面倒見の良さが大きな要素のようです。「一番話が合うノリのいい先輩」「一番友達に近い先輩だから」「プライベートの価値観が一番似ている」「一番性格や雰囲気が似ていて身近に感じられる存在」「一番とっつきやすそうな先輩」「長兄性質や会話においてのフランクさに対し、弟や年下として親しみやすく感じていそう」など、「一番〇〇だから」と書いていた方がとても多かった印象です。
切原赤也と柳蓮二
回答者は183名で、全回答のうち約59%。ダントツでした。
柳から赤也への信頼については
「相互関係というより柳先輩が一方的に理解してるという感じ、でも赤也も信頼はしてそう」
「ダブルスを組んだり悪魔化を心配したり赤也のために試合を棄権したり、一番考えてくれていると思うので」
「白石に頭を下げるほど柳が赤也のことを気にかけ面倒を見ようとしていた」
「一番長い目で赤也の将来を見据えている」
などのコメントが寄せられました。丸井や桑原と比較すると、面倒の見方が異なっていることがよくわかります。
一方、赤也から柳への信頼については
「思春期の子供にとって自分のことをわかってくれている(何か明確な根拠を持って分析してくれている)存在は怖さもあれど、重要な存在だと思う」
「赤也が最も重要と考えている(であろう)テニスにおいて支え、助言をくれてきた存在であるので、他の分野においても同じように支え、助言をくれると赤也は考えていると思う」
「赤也にとってストレスを最小限に接することができ、先輩同士で二人組にならない・群れない立ち位置にいるから(赤也自身も群れることは好まないタイプにみえる為)」
「仲がいい丸井辺りは頼り甲斐に欠け、真田幸村辺りには恐縮してしまう。仁王(柳生)は信用しきっていないと思う。中間層の柳は面倒見もいいので心開きがち」
「単純に赤也ちゃんは一番構ってくれる人を好いていると思う」
などの意見が見られました。切原にとって柳は、尊敬(畏怖)と親しみのバランスの良い 先輩、という認識を持つ方が多いようです。
その他、ファンブックでの「朝練に遅刻が多い切原を家まで迎えに行くことがある」(*1)を理由に挙げる方や、「私の趣味です」と明言してくださった方もいました。
柳生・仁王に投票した方が少ないのは、やはり作中での交流描写が少ないためでしょう。丸井・桑原については、部活中以外で交流する様子が描かれたこと、柳生や仁王よりもオープンマインドで切原を受け入れる気持ちが強いことから、得票数が伸びたのだと考えています。ただ、強豪運動部の先輩後輩ですので、友達感覚と呼べるほど距離が近いとは考えにくいと思います。
切原が倒したいと言っている三強のなかでも幸村の得票数が最も少なかったのは、原作初期から一緒に登場していた真田・柳に比べて、切原との交流描写が少ないためだと思われます。また、真田と柳の差は、ダブルスと同士討ちの影響でしょう。真田が切原に目をかけているのは明らかですが、同じところに幸村がいた場合、どうしても天秤をそちらにかけてしまいます。となると、三強のなかでも、全体で見ても、柳が突出したのは納得の結果だと言えます。
続いて、どのファン活動に重点を置いているか、という質問の回答結果です。
原作と答えた方が最も多く、4割以上を占めました。
注目すべきは、第2位のミュージカルが、アニメと答えた方の2倍以上となっている点です。現時点で新作アニメは放送しておらず、OVAも続編は決まっていない状況です。(余談ですが、チバテレで第一期アニメの再放送があったため、千葉県の中高生の間ではちょっとした話題になっているようです。)そんな状況ですので、やはりコンスタントに上演されているミュージカルを観るうが、活動らしい活動になっていると感じられるのでしょうか。
問1で回答したキャラクターごとに、重点を置いているファン活動の種類をまとめたのが、下記の表です。
問1よりも回答率が低いため、参考にならない数字もあるのですが、桑原・丸井と答えた方は「原作重視」傾向が強いようです。また、幸村と答えた方はミュージカルを好む傾向があり、真田と答えた方の4割以上が、重点的な活動は「どれということもない(特にない)」と考えているとの結果でした。柳は回答数が多いため、全体平均とほぼ近い数字となっています。
最後は「『(新)テニスの王子様』のファンになった時期は?」という質問でした。結果は下の表の通りです。なお、出戻りの場合は、出戻ってからの年数としました。また、「中学1年のとき」など、具体的な年数が不明な回答は除外しています。
全体の平均は6.2年でした。
この質問の結果は、切原と先輩の関係についての考察とは関連付けていません。ややこしくなるので。
興味深かったのは、「15日前」からテニプリにはまったという回答。このアンケートを実施したのが10月19日ですので、15日前は10月4日、跡部の誕生日です。いったいこの回答者に何があったのか、詳しく訊きたいところです。
まとめ
原作の描写といただいたコメント、筆者個人の意見を総合させると、切原赤也から先輩に対する感情は、下記のようになると考えます。
幸村:テニスの強さへの絶対的な信頼・尊敬・畏怖
真田:恃み・真田についての(他に対する)自信・反骨心
柳:情報の信用・ダブルスペアとしての仲間意識・比較的おおらか
柳生:常に正当なことをしていると思いきやそうでもなく読めない
仁王:ちょっとアウトローな先輩に対する「カッケー」という憧れ
丸井:さまざまな面で先輩ヅラをしてくるが親しみやすく悪い気はしない
桑原:多少のことは許してもらえるような気がして甘えがち
一方、先輩から切原赤也に対する感情は下記のように捉えています。
幸村:「俺を倒せるものなら倒してごらん(きっとお前に俺は倒せない)」
真田:「もっと強くなって俺を倒してみろ(だが俺は負けない)」
柳:「部活動の先を見据えるならお前は俺を超えるべきだ(やってみろ)」
柳生:「勝利への執着は認める(だが模範的な生活を心がけてほしい)」
仁王:「見ていて面白くなくはない(けれど俺とは向かう先が違う)」
丸井:「強くなれるよう頑張れよ(俺はお前の野望に関与しないけど)」
桑原:「試合以外では気のいい後輩(でももっとうまく立ち回れよ)」
以上、切原赤也と先輩たちの関係は、「幸村・真田・柳」「丸井・桑原」「柳生・仁王」の3つに区切れると考えられます。
この記事は、切原が最も信頼し、また切原を信頼している先輩は誰なのかを明らかにすることが目的ではありません。この記事の目的は、多くの人の意見をまとめること。ですので、筆者個人の意見を書くことはしません。信頼関係の解釈は広く、それぞれの先輩と切原との間に、それぞれ違った信頼関係があります。
「いや白石でしょ」というコメントも4つほどいただいたことをご紹介し、アンケートのまとめとさせていただきます。
(*1)
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