怪文書

オタクに幸あれ

わたし負けましたわーーBATTLE LIVEで感じた5次元

 BATTLE LIVEとは、「ファンからのエールをより多く集めたやつが勝ち」という、至ってシンプルなルールの闘いである。

 その「BATTLE LIVE」の名を冠したイベントが、3次元に実現した。2018年2月3日・4日の2日間、KUROFUNEのもつ情調と会場の熱気とが融けあい、会場は異次元と化した。

 

 タイトルには「BATTLE」、出演者はSNSバチバチアピール。いったいどんな闘いになるのかとそわそわしていた。ファンのエールを多く集めたほうが勝ちというルールなら、こういうシステムになるのかもしれないなどと思ってもいた。

 しかし、数字で勝敗を決めるような演出は一切なく、実際の闘いは、KUROFUNEとDearDreamが曲やファンを取り合うところに凝縮されていたように思う。特に、4日のMC中に起こった「DearDreamの女だよな!?」「KUROFUNEの女だよな!?」「俺のミ・アモールだよな!?」「かおるのかおるだよな!?」「富田の富田だよな!?」というファンのエールの獲り合いは、BATTLE LIVEのバトルらしさを一番感じた場面だ。なお、最後には「もう何でもいいんだろ!」と穏やかなオチがついていた。

 

 だが、BATTLE LIVEはKUROFUNEとDearDreamだけの闘いだったのかと問われたら、答えはノーだ。なぜか。それは、私達ファンも、闘いに参加していたからである。

 そして、私は負けた。完全敗北した。2日間であらゆるものに負けたと感じた。その瞬間の思いを書き残しておきたい。

 

 

Shoot! Raid!

 ド初っ端の変身シーン生演奏。アイドル活動のなかでも特に歌を重視するKUROFUNEのバックに生バンド。ドリフェスくんの“粋”をここに見た。やはり生の音楽の持つ力は強い。

Whole New World

 一曲目から誰に負けたかというと、KUROFUNEの男にである。やはり女の声では少し物足りないと以前から実感してはいたが、間近で地響きのような開国コールを耳にし、完全に負けたと思った。KUROFUNEの男たちの開国コール、サイコー超えてたよ。

 Up to speed!

 これは私がドリフェスというコンテンツに投降した昨年11月に東京湾を眺めながら泣いた大好きな歌詞なので、無条件で敗北。

BIRDCAGE〜欲望の鳥籠〜

 5列目で浴びた戸谷公人さんの回し蹴りかっこよすぎ負けた。ここまでの3曲全部ロック楽曲だよ(アプリ準拠)。冒頭からこんなに飛ばして、これから一体どうなってしまうのかというワクワク感がすさまじかった。

ARRIVAL -KUROFUNE Sail Away-

 もはや勝ち負けがどうとかではなく、開国。winnerのarrival。

ユレルMidnight

 ここぞというときのパトライトみたいな照明でアガりすぎ帰伏。

インフィニティ・スカイ

 あからさまに狙ってきたギャップに一瞬でも萌えを感じたので敗北。

君はミ・アモール

 いつも笑顔のDearDreamがキリッとした表情で蟹ダンスをしたことにより前奏で敗者となることが確定した。「We'll Be In Your Pleasure」は聞くたびに慄いてしまうが、風間圭吾ではなくDearDreamがその歌詞を背負うとまた趣が変わるのだと気付かされた。

ユメノコドウ・NEW STAR EVOLUTION・PLEASURE FLAG

 DearDreamの赤担当に心をジャックされており無条件降伏してしまったので記憶がない。おばあちゃんになってもプレフラ間奏終わりの投げキスで元気いっぱい沸きたい。

薔薇の三銃士

 昨年のAGFでは、これが始まった瞬間、30分前にその場で初めて会った隣の人に抱き付いてしまったくらいには好きな曲とメンバーなので今回もホールドアップ。間奏のセリフで腰抜かした。

リバーシブル→バレンタイン

 可愛いという感情を溜めに溜めておいたダムを決壊させたWMのあと同じ振り付けで出てくるKUROFUNEにより会場中の穴という穴から汁が出て大洪水。

MAY BE, LADY!

 神様ありがとう。それしか言うことなくない?

FACE 2 FAITH

 なにもかもが純粋に格好良いのでこの曲で勝とうなんて初めから思っていない。DMMシアターで見た振り付けと、アプリのあのカメラアングルをいつかどこかで見たい。

ありがとうの数だけ笑顔の花を咲かせたい

 エモ楽曲のエモアレンジでエモな雰囲気になったうえ、出席確認からの流れで石原さんが「イーヤーサーサー」の合いの手を入れた(沖縄出身の方がいた)ため5回くらい落城した。

SAKURA LETTER

 DearDreamがしっとりと歌い上げているだけでもずるいのに、最後の最後でインフィニットヴォヤージュのKUROFUNEがすっと入ってくる抜け目の無さ。インフィニットヴォヤージュ着たあの2人に勝てる? 私は勝てない。

BEST☆★PARTNAER

 ファンミ03でのフリに「俺たちのベストパートナーはファンのみんな」というような言葉があり、今回もそう言っていたと記憶している。だが、この歌詞はKUROFUNEにとても合っているので、あなたたちのベストパートナーはそれぞれ横にいる相方だよ……私たちじゃないよ……と勝手に負けた気分になった。

シナリオ

 勝つ気どころか、まず闘う気すら起こらないからね。

Future Voyager

 2次元のKUROFUNEにとって大切な一曲を、3次元でもこの日まで大事に大事にとっておいてくれたという事実が御膳上等。ありがとう。

ALL FOR SMILE!~Shoot!Raid!MIX~

 この曲をこの場面でShoot!Raid!MIX。DearDreamなしでのAFS。BATTLE LIVEがKUROFUNE主体のイベントだということをここにきて改めて感じさせてくる演出。完敗。

Paredeが生まれる

 この曲をこの場面で、KUROFUNEだけで歌うなんて。天才すぎる。歌詞を「おばあちゃん」から「おじいちゃん」にしたところもとても良い。

Dream Greeting!

 ラストにこれを持ってくるセンス。奇をてらいすぎず、かといって無難すぎるわけでもないこの感性に万歳。

 

 

 この日の行動や言動を「9割戸谷、1割プリンス」と言う戸谷さんに対して「100割株ちゃん」と返していた株元さん。「分けるとか分けないとかじゃないんだよね、勇人は俺の中にいるから」「アイドルとは何か、それを勇人と一緒に考えて、歩んできたような気がします」とも語っていた。

 これまでの姿を長く見てきたわけではないが、彼が葛藤し、少しずつ2次元と妥結してきたからこそ、「お前らのエールがある限りKUROFUNEは走り続ける」なんて叫びが出てきたのだろうか。

 

 

 ドリフェスについて考えるとき、3次元と2次元のつながりを取り上げることがある。3次元のもつ一面が2次元キャラクターの構成要素になっていることや成長など、2人、ひいては14人に、さまざまな共通点が見られるからだ。そして、数ヶ月間このコンテンツを見てきて、3次元側の人間は、もはや2次元のキャラクターにとって単なる“演者”ではないと実感している。

 

 一般的なコンテンツでは、キャラクターの存在が先行し、それを声優や俳優が追っていく(ただし、私が詳しく知っていて比較対象にできるのは『テニスの王子様』だけなので、一般というよりは“模範”なのかもしれない)。原作、あるいはキャラクターの性質やビジュアルが最優先の、トップダウン型といえる。演者は、声や見た目、行動などにあらわれる自分の要素を消して、キャラクターになりきろうとしてくれる。私は、声優さんも2.5次元俳優さんもみんな原作者やキャラクターの支配下にいるものだと考え、その手法が正しいと信じてきた。

 一方、ドリフェスのキャラクターづくりは、ボトムアップ型だ。キャラクターについてのおおまかな枠があり、そこに中身を入れていく。その中身となるものに、3次元側の要素がある。たとえば、3次元側の好きな食べ物が2次元側の好きな食べ物になっていたり、3次元側で撮られた写真と同じポーズが2次元側に採用されたりする。かと言って、『はじけてB.B.』や『娘。物語』のように、実在の人物を描いたノンフィクションではないので、3次元側が2次元側を支配しきるということはない。このやりかたが非常に巧みなのだ。絶妙なさじ加減で、「5次元」という謎の言葉に説得力を持たせてくる。

 BATTLE LIVE中にも、「5次元」を感じた瞬間があった。

 3日のMC中に戸谷さんのイヤモニが壊れてしまい、舞台上に残された株元さんが一人で「シナリオ」を少し歌った場面だ。「どうしよう、ソロでシナリオ歌う? でも声出ないよ」と冗談ぽく言ったところ、客席から「イケるっしょ」コールが起こり、ワンフレーズだけ歌った。もしも2次元の黒石勇人が同じ立場になったとして、やはり彼も、ここで歌う以外の選択をしないだろう。3次元で起こったことを、これは2次元でもありうるな、と自然に受け入れられてしまった。一般的な(“模範”的な)コンテンツでは学級会になるようなことでも、はじめから「そういうもの」という前提があるドリフェスでは、承服の対象なのだ。これはおそらくドリフェスにしかない、3次元側と2次元側の特殊な結びつきだと思う。

 余談だが、昨年12月、DMMシアターでのKUROFUNEトークショーの冒頭で、MCが「風間圭吾役の~」「黒石勇人役の~」とキャストを紹介した。そのとき、ものすごく違和感があったのだ。そうなんだけどそうじゃない、と。最後の挨拶では「風間圭吾こと~」「黒石勇人こと~」に修正してきていたので、やはりそこにはこだわっているのだなと感じたことを覚えている。

 

 3次元と2次元の関係については日々意識を更新させられているのだが、ここ1週間ほど考えている構造は下図のようなものだ。各種メディアで「パラレルで活動」「体現」などと表現されていることから、3次元側と2次元側が、魂のようななにかを共有した別の存在であることがわかってきた。

f:id:mihoko_le:20180217090556j:plain

 だから、株元さんの「勇人は俺の中にいる」「一緒に歩んできた」という言葉や、戸谷さんの「圭吾と勇人を感じる瞬間があった」という感想がぐっときた。このコンテンツのあり方にかんして、舞台に立っている側の方も感慨にひたってくれているんだと、オタクはとても感動した。

 

 最終日はアンコールの声が出るのが遅かったとのことだが、あれは、あまりにもライブの内容が良く放心していたので拍手しかできなかったためである。3次元の人間が2次元のキャラクターを憑依させていたのではなく、完全に“4人”の姿が見えてしまったせいで(頭は大丈夫です)、何もできなくなってしまったのだ。

 KUROFUNEに、最初から最後まで、わたし、負けましたわ。

f:id:mihoko_le:20180216232413j:plain

 

推しにメシを

「推しにメシを喰わせたい」――いつからか自分の内に芽生えた感情は、年を重ねるごとに大きくなっていった。

 推しとの年齢差が開いたことによる庇護欲か、母性あるいは父性か。とにもかくにも、邪な気持ちは一切なく、ただただ「推しにメシを喰わせたい」と思う時間が増えた。

 

 お腹いっぱいにおいしいごはんを食べる。

 私自身、これ以上の幸せはそうそうないと考えているし、満腹であることがきらいな生き物はめったにいないのではないだろうか。

 だからこそ、育ち盛りの推しには甘辛く味付けて炒めた豚肉とたっぷりの白米を食べさせたいし、テーブルの上にカレーライスと寿司とラーメンとチーズサンドとステーキをめいっぱい並べてやりたい。満たされた胃に幸福を感じ、めいっぱい体を動かして、存分に寝て、大きく成長してほしい。

 もちろん、物理的に食べさせるだけではない。メシが食える=収入がある、ということになるので、「メシを喰わせたい」というのは、カネを出したいという意味も含んでいる。

 

 そんな思考を持ったオタクのもとに降ってきたのが、『ときめきレストラン』と『ドリフェス !R』のコラボ・イケメンドリームパーティーだった。イケメンドリームパーティーて。

 

 数年前、不破剣人をE→motionのセンターにして完全燃焼したときレス。そのシステムは痛いほどよくわかっている。

 ニクを焼くのだ。そして喰わせるのだ。デカイ肉を。アイドルに。

 

 そう、つまり、ついに来たというわけである。推しにメシを喰わせるときが。

 

 今回のコラボイベントにはいくつも見どころがあるのだが、一番の感動は、物理的に「推しにメシを喰わせることができる」という点だ。

 考えてもみてほしい。ドリフェス!はメシアニメなのだ。少年たちのさまざまな悩みや衝突を、寿司やウエハースが解決してきた。空腹により不安定になった心を、温かい夕飯が癒すこともあった。なぜかラーメン屋に原画展示もされている。

 そんなメシアニメのドリフェス!キャラクターに、好きなだけメシを与えられる。D-Four Productionの事務所食堂従業員はいつもこんな気持ちなのだろうか。めちゃくちゃ楽しい。チーズフォンデュを食べる千弦はめちゃくちゃかわいいし、肉を前にして「こういうのが食いたかった」と言う黒石くんはめちゃくちゃロック。メシ喰って笑顔になる推し、サイコー超えてるでしょ。(ドリフェスくん全員推しです)天才コラボだよほんと。

 ひさしぶりのはばたき市はやっぱり楽しいので、こうしてまたレストランを再開する機会に恵まれて本当によかった。

   ときレスくん、ドリフェスくん、ありがとう、毎日がさらに楽しくなりました。

 

 

ときめきレストラン☆☆☆(ときレス)

アプリ|「ドリフェス!R」5次元アイドル応援プロジェクト公式サイト

★件のラーメン屋

 

君はドリカタイムの光を見たか

 1月10日東京、13日福岡でのDearDreamのライブに行ってきました。

 このあともバトルライブ含め全部行く予定なので、毎日「明日が楽しみ」という気持ちで生きていられるのですが、あまりにも多量の満たされた思いを抱えており、このままでは幸せの摂取しすぎで胃が破裂するので、少しだけライブのことを書いてガス抜きさせてください。

※以下<DearDream 1st live tour ユメノコドウ>の衣装・演出等に関する記述があります。

 

 

 

 

 ライブ中、「ドリカタイム」の映像演出がありました。

 舞台上のスクリーンにD-Fourシアターの客席が映し出され、2次元の観客が持つペンライトからドリカが発射(物理)される、いつものあのアニメ映像です。

 それに合わせて、私たち3次元の観客も皆思い思いのドリカを差したペンライトを光らせ、胸の前に掲げます。ここでのドリフェスのオタクは本当に健気でかわいい。

 そして映像ではDearDreamがドリカをキャッチ。変身シーンを終えると、なんということでしょう、舞台にファイブスタービート*1の衣装を身に纏ったDearDreamが登場したではありませんか。

 何度も説明しますが、『ドリフェス!』には、ファンが 贈る(物理的に発射させる)「ドリカ」をアイドルが受け取って、その衣装に着替えるシステムがあります。下の動画は開始位置を設定してあるので、ここから2分ほど見てもらえればわかります。

 

 

 これが、現実でおこなわれてしまったのです。

 私たちの贈ったドリカ(概念)をアイドルがキャッチして着替えたよ、という演出なんです。

 ファンミ03でもAGFでも同じような雰囲気はあったのですが、今回はアニメで描かれているD-FourシアターのモデルがTDCホールということも相まって、とにかくすごくて、ハア…………みたいな感じですよ。感嘆の声しか書きようがない。この気持ちを表現するにふさわしい、新しい形容詞がほしい。

 

  このデジャ・ヴュ(あるいはジャメ・ヴュ)だけでもすさまじい驚きと感動なのに、私はこの日のライブ前、引いてしまっていたんですよ。

 

f:id:mihoko_le:20180421025555j:image

  そう、ファイブスタービートを。

  あの瞬間、ドリカペンライトに入れて光らせていたんですよ、ファイブスタービートを。

  同じカードを入れて掲げていた方は絶対に仰け反ったと思います。「もしかして、私のドリカを……!?」って。だよね? 絶対そうでしょ? すごい。5次元だ。いかれてる。ドリフェスくんは天才。ロックにもほどがある。好き。ほんと好き。

  もう参加してドリカタイムを経験したひとも、今後参加してこれを経験する未来があるひとにも、最高超えた明日が待っていますように!みたいな、世界平和を願うような言葉が出てしまうほど私は幸せです。どうかツアーが最終日まで無事におこなわれますように!!!!!!!

 

あした私は知らない男に抱かれる

 

初めてTDCホールへ行ったのは、2009年の10月。

中学テニスの全国大会決勝戦のために立見席を取りました。当時はまだJCBホールという名称でした。
公演についての記憶はDVDの映像に上書きされてしまったけれど、そうめんが全然見えないと怒り狂ったことはよく覚えています。
それから8年以上、同じ場所でたくさんの試合を見てきました。

 

あした私は、その会場に、生まれて初めてテニスの試合ではないものを観に行きます。

 

「王子様」に恋をした14歳の夏から十数年。
私はもはや『テニスの王子様』という概念と結婚に近い結びつきをしており、一生添い遂げるつもりで生きています。人々は、まるで『テニスの王子様』を悪い魔女のように扱い、しばしば「いつか夢から覚めると良いね」などと言いました。ですが、夢女としてキャラクターと結婚したいとかそういうことではなく、3次元に生きる私が『テニスの王子様』(概念)と結ばれ、満たされていたので、他には何も必要ありませんでした。

 

あした私は、そんな平穏な日々に突然現れた異邦人を観に行きます。

 

通い慣れた場所で、よく知らないけれど今とにかく好きで好きでたまらない存在を観るーーこれは、自室で知らない男に抱かれるのを待つ感覚なのです。いやそんな感覚知らんけど。

楽しみなような、怖いような、とにかく24時間後の自分の姿が全く想像できません。わかるのは、まちがいなく今よりも24時間後の私が幸せになっているということだけです。

 

(DearDreamのツアー初日前夜なので心に留めておけない思いが爆発して書きました。頭は大丈夫です。)

http://pot.hatenablog.jp/entry/2017/10/29/223042

許斐剛先生トークショー「ハッピーメディアクリスマス」

f:id:mihoko_le:20180108095616j:plain

 2017年12月24日、許斐剛先生トークショー「ハッピーメディアクリスマス」に参加してきました。12:45に集合し、14:00過ぎに開演、イベントが終わったのは19:00。休憩なしで6時間以上座っていました。テニミュ立海公演どころの話じゃなかった。腰が爆発するかと思った。でも、あのとき、世界で一番素敵なクリスマスイブを過ごしていた自信があります。

 

 

VRの話

 ゲストは森田純正さん。2016年の一人テニプリフェスタや、DMM VRシアターでのライブに携わったステージプロデューサーです。

 森田さんは、一人テニプリフェスタの開催にあたって、「鉛筆で描いた絵でも良いから、キャラクターを動かしたい」と言った許斐先生に「X JAPANのHIDEさんのVRをテニプリにも使えるのでは」と提案。それが見事に実現したそうです。

 イベントでは、跡部・手塚のバースデーライブのダイジェスト映像を観賞しました。当日、会場の一番後ろで見守っていたという許斐先生。「我が子の参観日」のような気持ちになり、喜んでいるファンに直接「ありがとうって言いたくなった」ので、急きょ最終公演後にステージへ立ったとのことでした。また、完成されたプログラムだとしても「今回の手塚はうまくなったな」「失敗するなよ」などと思いながら見ていたとも話していました。

 ここで流れた映像に関しては、「VRは本当にお金がかかっているから……」と話し、ファンの手元に残るかたちで出したいとの話題も出ました。アップになった跡部と手塚の顔が、原作そのままに立体化したとしか言えない素晴らしい造形だったので、ぜひ家庭でも眺めたいものです。

 

楽曲の話①

 楽曲コーナー一人目のゲストはUZAさん。

U-17高校生楽曲

 UZAさんみずから志願して制作したそうです。許斐先生は平等院鳳凰*1「強いやつを増やすより 肝心なのは 弱いやつを減らすこと」というフレーズがお気に入りとのことでした。

たとえば今…

「ここで僕らは出会ってしまった」*2がテニフェス2016の投票で1位を取っただけに、中途半端なものは作れないと相当悩んで「たとえば今…」*3を制作したそうです。

1 FOR 214

 宍戸のセカンドアルバム*4に収録されている中で、許斐先生が一番気に入っているという楽曲。「作った人の才能に嫉妬した」「宍戸の優しさを伝えるのに、本人のことを書くんじゃなく、周りの部員を見ている描写をするなんて」「こんな優しさの書き方があるんだ」などと絶賛していました。なお、これはUZAさんの制作ではありません。

意外性のある楽曲

「裏声になった時点でキャラじゃなくなる」として、ふつうキャラソンでは使われないというファルセットですが、テニプリは長くやっているうちに受け入れられるようになっている、とUZAさん。「お遊び的なものも歌ならでは」と言うと、すかさず先生から「でも原作の日吉は筋トレしない」との言葉が飛びます。許斐先生、Do it!!に対してけっこう辛辣だよね。

 

サマバレ特番の話

 ゲストはワタベカズ彦さん。許斐先生楽曲のMVと、2017年8月14日の特番の監督です。ここではまさかの特番全編(生放送部分は除く)を観賞しました。ニコ生のコメント付き映像だったため、視聴者のコメントに対して先生や監督がコメントを返すという愉快な時間です。

 サマバレ特番は、VRキャラクターの台詞だけでなく動きまですべて許斐先生が監修しているため、VRアクターさんがモデルとするために、先生自らが動きを撮影したそうです。また、当初は100位~50位は表を映すだけの予定だったはずが、先生の「描こう」の一言であの演出になったとのことでした。

 真田のコメント時の「D気持」や跡部の「CROSS WITH YOU」などの選曲は監督さんによるもの。やはり「納得なんてできない」は、そういう意図で使われたそうです。

 応募者全員サービスの缶バッジは、「漫画とは違って、ずっと身につけてくれるものなので、漫画よりも気合が入っているかもしれない」と先生。「今年も働いたなあ」と2017年を総括し、「でも、ものすんごく楽しかった」とのことでした。バレンタインチョコレート集計所での先生の様子を映したタイムラプスも見せてもらったのですが、個数を書きこむというちまちました作業を先生ご自身がされていて、そんな……言ってくれればタダで働くのに……という気持ちしかありません。

 

楽曲の話② 

 ゲストの松井Pが、登場早々「バレンタイン リアルランキング」を発表します。

f:id:mihoko_le:20180108145806p:plain

 数字までは発表されていませんが、「1位はダントツ」だったとのこと。先生は「チョコは贈るけどバッジは買わないんだよね」と厳しい一言。考えさせられますね。

 

プレゼントコーナー

 一人テニプリフェスタのときにアニメイトで配布した色紙やVRライブのポスター、イベントのスタッフTシャツ、HMSジャンパー(背中にサインを書いてくれる!)などのほか、最後にサプライズで「その場で色紙に好きなキャラクターを描いてもらえる権」が。当たった方がとても幸せそうにしていて、会場中がハッピーな空気に包まれました。

 

ライブコーナー

 おそらく一時間は歌っていたのではないかと思います。曲は、UZAさんによる弾き語り「future」「白い世界で君と」等のメドレーと「あなたに」、楠田さん「1 FOR 214」、先生と楠田さん「悲しいね…キミが近すぎて」、先生とUZAさん「大好き」、先生と楠田さんとUZAさんと突然乱入してきた津田さん「LASER BEAM」、先生「フェスティバルは突然に」(※手塚の名前刺繍入り青学ジャージを羽織る)「ハッピーメディアクリエイター時々漫画家」だったと思います。「ハッピーメディアクリエイター時々漫画家」は、サビ部分を「ハッピーメディアクリスマス」「ハッピーバースデーリョーマ」などに変えて歌っていました。

「悲しいね…キミが近すぎて」について、先生は「自分で歌ったけど、もともとキャラクターに歌ってほしいと考えていて、手塚と不二にも歌ってもらえないかと思っている。他にも、跡部と忍足、宍戸と鳳とか、大石と菊丸とか」と話していました。

 でも、これはキャラクターが我々に叶わぬ片思いをしている設定の曲なので、キャラクターの声で歌われるのは本当につらいです。宍戸亮の夢女が現地で声優さんの顔を一切見ずに聞いてそう思ったので間違いないです。実現するかどうかはわかりませんが、覚悟はしておいたほうが良いと思います。突然歌われてしまった宍戸亮のオタクからのアドバイスです。

 

 個人的にこの日最も衝撃的だったのは「一番はじめに滝を出したとき、アメリカ映画で久役の横にいるオンナ役、かわいがってもらってる役、のつもりで描いた」から、滝は跡部を「景吾くん」と呼んでいる、という先生の発言でした。妙な妖艶さの理由がわかりました。ハッピーホリデイ!

*1:

THE BEST OF U-17 PLAYERS XIHouou Byodoin

THE BEST OF U-17 PLAYERS XIHouou Byodoin

 

*2:

ここで僕らは出会ってしまった

ここで僕らは出会ってしまった

 

*3:

たとえば今・・・

たとえば今・・・

 

*4:

新テニスの王子様「I’ll be right here」

新テニスの王子様「I’ll be right here」